早く出てって ページ11
レトルトサイド
Aがジェイソンだと知った。
返り血を浴びた服と仮面。
雨に濡れてるせいで体のラインがはっきりわかる。
随分と綺麗な体だこと。
レト「Aも一緒に出ようよ」
独りぼっちでこんなとこにいたくないでしょ。
俺…ジェイソンの映画全部見たから知ってるよ。
今そんなことは関係ないと解ってる。
だけど、なぜだろう。
映画のジェイソンと今のAを重ねてしまう。
遊びたいんでしょ。
ただ、みんなと一緒に。
それなのに、みんな、君のこと嫌うんでしょ。
せっかく友達が出来たのに。
辛かったよね。
Aが俺の後ろを指を指す。
俺は振り向きもしない。
ただ、Aを見ていたら、
レト「…辛かったよね」
自然と口から言葉が出た。
レト「今までの会話の中にいくつも伏線は張ってたんだよね」
『それがどうしたって言うんですか？』
確かにどうしたって言うんだ。
それはもう過去の話だ。
『まさか、このまま帰らないつもりですか？時間オーバーまで残ってるつもりなの？』
牛沢「おい、レトルト。早いとこ出よーぜ」
『うっしーも呼んでますよ。なんだか殺すのめんどくさくなったし、特別に逃げて良いですよ』
しびれを切らしたAは俺に背を向けた。
待って、行かないで。
思わず後ろから抱きしめた。
雨に濡れた服からは体温は伝わらない。
あの時と同じ、冷たいまま。
止まった思考回路が動き出す。
レト「現実世界に戻ったら、話ししたい」
君のこと知りたい。
『…遊びなんでしょ？』
レト「遊びじゃない！俺は、本当にAのことが好きなの！」
自分で言っといてめちゃくちゃ恥ずかしいセリフ。
レト「本気に決まっとるやろ！」
俺はAから離れた。
牛沢「レトルト…お前…」
『はぁ…早く出てって』
次の瞬間、足が宙に浮いた。
俺の首をAが持っていた。
あっ、ヤベっ…
牛沢「お前…！」
俺の全体重はAの手に握られている。
じわじわと首が苦しくなっていく。
レト「うっあ……ぐぅ……じ」
牛沢「レトルト！！」
口の端からよだれが出た。
雨がそれをなかったかのようにする。
『早く出てってよ！』
俺は耐えきれず【ポケットナイフ】でAを刺した。
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てんげつ そらら(プロフ) - お疲れ様でした♪ とても面白かったです！ (2018年5月23日 2時) (
レス) id: 17be0df42f (このIDを非表示/違反報告)
雪の飴 - 凄く面白かったです。この作品で、何度も何度も泣かされました。完結おめでとうございます。 (2018年4月23日 19時) (レス) id: 1ec8cf476f (このIDを非表示/違反報告)
塩のり - 完結おめでとうございます！いろいろ考えさせられたりして、とても良い話でした。レトさんと主人公のその後の進展も少し気になりますね…！お疲れ様でした！！ (2018年4月15日 16時) (レス) id: 4e6e6ef04c (このIDを非表示/違反報告)
澪 - 完結おめでとうございます！お疲れ様でした…！！とっても楽しく読ませて頂きました。ありがとうございました！！(*´▽｀*) (2018年4月15日 2時) (レス) id: 9cfc58a9e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：食人鬼 | 作成日時：2018年3月14日 15時
