【実況者】君の××をちょうだい (ページ6)

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人形と違和感ページ6

キヨが扉を開けた。

扉の先は、キッチンだった。

キヨ「早く隠れねぇとフジが来ちまうから隠れるぞA」

『わかってるよ』

キヨは私の手を引きながら、キッチンの扉を開けて廊下に出る。

二つ隣の扉を開けて中に入った。

電気をつけると、そこは人形部屋。

ぬいぐるみや球体関節人形、日本人形に等身大の人形まである。

棚に飾られてる人形もあれば、床に転がってる人形もある。

………この部屋……

この部屋、見たことあるっけ？

いや、見たことある。

私は奥へと足を進める。

ボロボロのぬいぐるみ。

壊れてる人形。

ホコリをかぶった人形。

ボサボサな髪の日本人形。

手足が変な方向に向いている関節人形。

キヨ「驚いた？」

振り向くと、キヨが壁にもたれ掛かっていた。

『うん、驚いたよ』

キヨ「この部屋さ、掃除していいのかわかんなかったんだよね。だから掃除してねぇんだよ。ほら、そこの人形。ホコリかぶってるだろ？」

『ほんとだ』

キヨ「ここって掃除したほうが良かった？」

『掃除しなくてもいいよ。なんだか味が出てるから』

私はホコリをかぶった人形の頭をそっと優しく撫でた。

この人形、見たことある。

ここに来る前の……車内でうたたねしていたとき夢に出てきた、あの人形だ。

両腕の付け根の部分が、新しくなってる。

これは、私の母が直したところだ。

夢の中ではどこが壊れたのかわからなかったからな。

私は奥へと進む。

奥へ進むと、さっきよりも積もったホコリの量が増えた気がした。

私は奥へと進む。

ガチャ、と背後から聞こえた。

フジ「み、見つけた……！」

キヨ「お〜。おせぇな」

フジ「広いんだよこの家の部屋一つ一つが」

キヨ「たしかにひれぇよな」

フジ「A」

右肩にそっと手が置かれた。

フジ「見つけましたよ」

『見つかっちゃった』

キヨ「次は俺な」

『え？私じゃないの？』

フジ「Aはまだこの家に来て二十分たったかたたないかくらいですよ？」

キヨ「それとも、もう全部の部屋覚えたの？」

『覚えてないよ』

キヨ「まぁ、数えるからな」

フジ「A、行こう」

私はフジに手を引かれ、人形部屋を出た。

____部屋から出る前。

私は奥の棚の一番上の段に目がいった。

そこにはホコリが積もってないところが二箇所あった。

すこし、違和感を感じる。

フジ「キヨが追いかけてくるから、行こう」

私はフジと部屋を後にした。