【実況者】君の××をちょうだい (ページ4)

今日:5 hit、昨日:2 hit、合計:15,091 hit

追う鬼と逃げる私ページ4

『かくれんぼ？』

キヨ「そう、かくれんぼだ！」

フジ「……少年だな」

キヨ「少年でいいさ！じゃあ、俺が鬼な！」

『ちょっ、ちょっと待って。私、この洋館に来たの久しぶりなんだよ？部屋の間取りとか、覚えてないんだけど』

キヨ「かくれんぼしながら覚えりゃいいんだよ」

キヨとフジはネクタイを緩める。

スーツ姿だから動きにくいよね。

私の着ているこの長スカートもちょっと動きにくいんだよね。

キヨ「今から一分後な。よーい、スタート！」

キヨがそういうと同時に、フジは廊下を走っていった。

私はフジとは逆方向の廊下を走る。

かくれんぼなんて何年ぶりだろ。

ずっと勉強ばっかだったから、覚えてないな。

私は角を曲がり、部屋の扉を開けた。

中に入ると暗い。

明かりをつける。

その部屋は寝室だった。

ホコリを被っていないベッド。

真新しいように見える枕。

綺麗な絨毯。

タンスもある。

タンスを開けてみると、衣服があるから入れないとわかる。

この服、昔の写真にある私が着ていた服だ。

こんなとこにあったんだ。

って、こんなことしてる場合じゃない。

ベッドに隠れたらバレちゃうな。

タンスは入れないしな。

どうしよっか。

隣の部屋に行く？

でも、もう間に合わないかも。

私はしかたなく、ベッドの下に隠れることにした。

数秒して、部屋の扉を開ける音がした。

キヨ「あ？なんでここの部屋電気ついてんだ？もしかしてここにいるのか？」

しまった。

電気を消すという初歩的な間違いをしてしまった。

絶対見つかるな。

キヨの靴が見える。

キヨ「おっかしぃな。この部屋だと思ったんだけどな……あ！電気つけっぱにしたまんま隣の部屋に行ったのか！」

そう言うと、キヨは電気を消して部屋から出ていった。

良かった。

いや、良くない。

暗くて見えない。

ベッドの下から出ても物音を立ててしまうな。

しばらくここにいようかな。

そんなことを考えた時____

____誰かに足首を掴まれた。

ビックリして頭をぶつける。

いった……

『いっ、痛ぁ……』

フジ「も、申し訳ございません」

フジの声。

どうやら一緒のとこに隠れていたみたいだ。

あれ？

逆方向のとこにいたよね？

頭をぶつけた痛みに涙目になりながらそんなことを考えた時、フジが言った。

フジ「抜け道があるから、ついてきて」