#10 青い彼岸花 ページ10
あと二年程で二十歳というとき、無惨がいつにもまして怒りっぽくなったのだ。
無惨は喧嘩しても私には勝てないと知りつつも私に筆や枕を投げてきた。
私はそれをかわして無惨に怒りの理由を聞くが、無惨は怒りで何度も怒鳴ってくる。
病が治らず怒りっぽい性格になってるのだろう。もともと無惨はプライドが高いから私におちょくられるのが嫌そうにしていることは多々あった。
私が読み書きをしているとき、無惨を治療するといっていた医者が私の家に来た。
部屋に上がらせるとその医者は無惨のことについて喋った。
「二十歳になる前に死ぬ」と言われてきた無惨を、少しでも生き永らえるようにその医者の苦心話を私は聞いた。
「まだ試作の段階ですが…」
『構わない。続けてくれ』
「はい。実は……青い彼岸花を材料にしようかと」
私は驚いた。
彼岸花は毒だ。
青色とはなんとも縁起が悪いことか。
それを薬にする?無惨に与える?
『この戯け者!!彼岸花は猛毒だ!!それにこの国には彼岸花は生えておらん!!』
「ええ、ええ、わかっておりますとも!」
『まさか外国(とつくに)に渡ってまで薬を作るのか?』
「はい。私は医者ですから」
医者が浮かばせた笑みに私は眉を寄せる。
『そこまでして月彦に尽くして何をするのだ。何か企んでいるのではあるまいな?』
「いえいえ、月彦殿の親友の貴方様には被験者になっていただきたく」
『は?お前は馬鹿か?』
ギロリと医者を睨むと医者は頭を下げた。
「この薬が完成したら月彦殿の病が治るのです。病が治り、元気な姿を見たくないのですか?」
『見たいに決まっているだろう』
「ならば貴方様には、失礼ながら被験者になっていただきたく願います」
私一人我慢すれば無惨の病が治る。
そしたら無惨と走れる。
私は悩みに悩んで、最後には医者の考えに承諾してしまった。
『彼岸花は着色料を使わなければ青くなれないぞ』
「着色料……ですか」
『そもそも青い彼岸花とはどこに生えているのだ?』
「外国にございます」
『それは知っている。彼岸花の毒の抜き方は考えているのか?』
「それは」
私は日が沈むまで医者と薬の話をした。
途中で飽きてきたので帰らしたが。
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スイレン(プロフ) - この作品大好きです!続きめっちゃ楽しみです!更新頑張ってください! (2020年6月5日 22時) (レス) id: 712cc87224 (このIDを非表示/違反報告)
弍神 - うおおおおおおお!こんなにもいい作品があったとは!ありがとうございまs(((続きも頑張ってください! (2020年6月4日 23時) (レス) id: ea6df43fbb (このIDを非表示/違反報告)
きょうちゃん - めちゃめちゃ面白かったです!!続き楽しみにしてます!!更新頑張ってください!! (2020年6月4日 16時) (レス) id: 69a8ce92b1 (このIDを非表示/違反報告)
ふりこ(プロフ) - これすごい面白い!気が狂いそうになるのも分かります!(笑) (2020年6月4日 16時) (レス) id: ae6073fefe (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹(プロフ) - 毎度のように続きが気になって狂いそうです。笑笑 (2020年5月23日 13時) (レス) id: 9dc1f8537e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無し61903号 | 作成日時:2020年5月16日 6時