#8 平安でホラー体験 ページ8
無惨サイド
太陽が出ていて今日は調子が良かった。だから縁の下で太陽の光を浴びていたら床下から物音がした。
くせ者か、と思ったとき、友人の着物の一部が床下から出てきた。なんだ雪彦か、と思っていると髪の毛にホコリをかぶった頭が出てきた。
『ハァーイ、ムージィ』
満面の笑みを浮かべながら私を追い越した身長であるにもかかわらず、床下から顔だけ出した形で私に左手に持った何かを差し出してきた。
『風船はいるかい?』
雪彦の持つ左手をよく見ると、そこには蛙がいた。腹をパンッパンに膨らませた蛙が浮かんでいる。
『君もこっちで浮かばないか?』
あまりの出来事に私は我が目を疑う。
カタカタとからくり人形のように体を動かした雪彦は床下から這い出てきた。床下から一生出てくるなという思いはどうやら叶わないようだ。
前髪で隠れた雪彦の見えなくていい目が髪の毛の隙間から現れた。
雪彦の目は──……
*Aサイド
『無惨くんすまなかった。無惨くんの綺麗な顔が見たいから出て来てくれないか?』
「断る」
『無惨くーん!!』
イットの有名な下水道シーンを平安時代バージョンでやったら無惨が気を悪くしたのか布団から出てこなくなってしまった。
200%私が悪いのだが、後悔はない!なぜなら一度やってみたかったからだ!
『今度はジェイソンバージョンでやってあげるから許してくれ』
「じぇいなんちゃらが何なのか知らんが、お前の行動は予測不可能だ。二度とするな」
『しょうが無い…わかったよ……だけどハロウィンに出てくるマイケルはやっていいか?お面ってあるかな?』
「まいけるが誰だか知らんが、お面はある。だがやるな」
『マイケル得意なんだぜ。おまけに竹刀を持って斬りかかったら誰も手に負えなかったあの時代が懐かしいぜ…』
「お前本当に私と同い年だよな???」
布団越しに疑問を投げかけてくる無惨に私は言う。
『同い年だよ無惨くん。だから筋トレしようではないか。一日でも筋トレしないと筋肉って落ちてくから自分の体の維持は大事なのだ!』
「私はお前の思考が解らない。何故そうなる?いまの言葉でどうやったら筋トレという言葉になるのだ」
『体の保存は大事だぞ!』
私は無惨がいる布団に微笑む。
『いつか二人で太陽の下を走ろうな』
無惨からの返事はなかった。
だけど答えるような咳は聞こえた。
*
蛙くんには謝ったあと、近くの川に戻ってもらいました。
106人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スイレン(プロフ) - この作品大好きです!続きめっちゃ楽しみです!更新頑張ってください! (2020年6月5日 22時) (レス) id: 712cc87224 (このIDを非表示/違反報告)
弍神 - うおおおおおおお!こんなにもいい作品があったとは!ありがとうございまs(((続きも頑張ってください! (2020年6月4日 23時) (レス) id: ea6df43fbb (このIDを非表示/違反報告)
きょうちゃん - めちゃめちゃ面白かったです!!続き楽しみにしてます!!更新頑張ってください!! (2020年6月4日 16時) (レス) id: 69a8ce92b1 (このIDを非表示/違反報告)
ふりこ(プロフ) - これすごい面白い!気が狂いそうになるのも分かります!(笑) (2020年6月4日 16時) (レス) id: ae6073fefe (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹(プロフ) - 毎度のように続きが気になって狂いそうです。笑笑 (2020年5月23日 13時) (レス) id: 9dc1f8537e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:名無し61903号 | 作成日時:2020年5月16日 6時