#7 名前を考えた ページ7
あれから数年が経ち、私と月彦の歳は13を迎えた。
成人式……平安時代では元服といったかな？はもうすぐ来る。
私は身長が伸び、親を越すのではないかという身長になっている。筋肉だって令和より劣るがまぁいい肉質だ。
月彦と書物の話をしていたら唐突に月彦は言った。
「……名前」
名前、と一言呟いた。いつもの月彦らしくないなと思いながら聞いていると言葉は続く。
「名前を考えた」
『あだ名か？それとも偽名か？』
「どちらでもない。私が考えた私の名前だ」
『私の名前は考えてくれないのか？』
ニヤニヤしながら言うと月彦はムッとした態度になった。
「考えてあるに決まってるだろ」
『なんだ。はよう言ってくれ』
私は畳にうつ伏せに寝っ転がり両足をパタパタさせながら催促する。
「……椿だ」
『ほぅ。いい名前ではないか』
「女っぽいと怒ると思ったが」
『男も女も大して変わらん。みんな外見だけで物事を左右しすぎだ。大事なのはその人の中身だ』
私がそう言うと月彦は目を伏した。
『それで、月彦の名前は？』
「私は……無惨。鬼舞辻無惨という名前を」
『ブッハwww』
思わず笑ってしまった。着物がはだけることお構いなしに笑い転げる。
腹を抱えて畳をゴロゴロ転がる。今朝おこなった腹筋が痛い。
「笑うな！」
『ヒーお腹痛いww頼むからこっち見ないでくれww』
ゲラゲラ笑う私に、月彦──無惨は巻物を投げつけてきた。
頭に命中した巻物の角。続いて筆が飛んできた。私は腹を抱えながら起き上がる。
『む、むっ…ww……無惨ww』
「なんだ椿」
『駄目だあぁぁ！！www』
こんなに笑ったのはいつぶりだろう。
しばらく笑い転げて落ち着きを取り戻し、なんとか話せるまでに私は復活した。復活の呪文を唱えてくれたのはほかでもない、無惨だった。
私にお茶くれた無惨はいい人だな。
『はあ、はぁ……はー、ごめんよ月…間違った、無惨くん』
「なぜくん付けなのだ？」
『なんとなく。無惨くんのほうが言いやすいから。それとも月彦って呼んでほしい？』
「…どちらも変わらん」
『じゃあさ、二人っきりのときは無惨くんって呼ぶよ。みんなの前で無惨くんは恥ずかしいからね。私はいつでも椿って呼んでいいよ……ところでなんで椿って名前なの？』
「椿はポトリと落ちるが、お前は中々落ちなさそうだからだ」
『oh,no……』
☆私はギルティな女──！
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スイレン(プロフ) - この作品大好きです！続きめっちゃ楽しみです！更新頑張ってください！ (2020年6月5日 22時) (
レス) id: 712cc87224 (このIDを非表示/違反報告)
弍神 - うおおおおおおお！こんなにもいい作品があったとは！ありがとうございまs(((続きも頑張ってください！ (2020年6月4日 23時) (レス) id: ea6df43fbb (このIDを非表示/違反報告)
きょうちゃん - めちゃめちゃ面白かったです！！続き楽しみにしてます！！更新頑張ってください！！ (2020年6月4日 16時) (レス) id: 69a8ce92b1 (このIDを非表示/違反報告)
ふりこ(プロフ) - これすごい面白い！気が狂いそうになるのも分かります！(笑) (2020年6月4日 16時) (レス) id: ae6073fefe (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹(プロフ) - 毎度のように続きが気になって狂いそうです。笑笑 (2020年5月23日 13時) (レス) id: 9dc1f8537e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し61903号 | 作成日時：2020年5月16日 6時
