鬼舞辻無惨の親友は生き返る【鬼滅の刃】

#49　誰かの話 ページ49

炭治郎サイド

縁壱さんが炭吉(俺)に自分の人生を語ってくれた。

痣を持って産まれたから殺されそうになったこと。

十になったら寺に行くはずだったのに七のときに家を出たこと。

寺に行かずにどこまでも続く空の下を走ったこと。

うたという女の子と出会い一緒に過ごしたこと。

うたと子供を鬼に殺され十日程ぼんやりしていたこと。

鬼狩りで姉と会ったこと。

野営していた兄を助けたこと。

三人で鬼狩りになって呼吸などを考えたこと。

鬼舞辻無惨をあと一歩のとこまで追い詰めたのに逃げれたこと。

隣にいた"珠世"さんを逃したこと。

兄が鬼になったこと。

鬼狩りから追放されたこと。

数ヶ月は姉と楽しく過ごしていたが、姉が元仲間の矢によって殺されたこと。

姉は体に矢が刺さったまま、骨壺を抱いた状態で死んでいたそうだ。

静かに泣いた涙の跡が頬にあり、満ち足りたような顔つきだったことを聞いた。


縁壱「姉上が考えた日輪刀の材料となる鉱石を矢に組み込むことは鬼の体を止めるのに向いていることが後に判明した」

縁壱「姉上はまだ鬼狩りに不慣れな若い隊士たちが弓矢で鬼を止めて、その間に頸を斬るという考えをしていた。それなのに姉上は……」


仲間の矢によって──殺された。


縁壱「心苦しい」


縁壱さんはそう言った。

炭吉さんなら何か言ってくれるんじゃないかと期待したが、炭吉さんは何も言わなかった。

…かける言葉が見つからない。

悲惨で残酷すぎる人生。


縁壱「私は何の価値も無い人間なのだ」


すると炭吉さんの口が動いた。


炭吉「違う！貴方は価値がある人間だ！！」


縁壱さんに貴方のことを後世に伝えたいと炭吉さんは言った。

すると縁壱さんは俺に耳飾りをくれた。

縁壱さんは人懐っこい笑みを浮かべた。


縁壱「ありがとう」









貴方は何の価値も無い人間じゃないことを、この耳飾りと日の呼吸で後世に継承することを約束します。

竈門炭治郎。

俺が十三番目の型で必ず──鬼舞辻無惨を倒す。

俺が貴方の思いを繋ぎます。

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