#22 消息を絶つ ページ22
母の葬儀は無事に終わった。
父が「縁壱を連れ戻す」と言った。
私が行くと言っても聞き入れてもらえなかった。
縁壱は寺に来ていなかったと聞かされた時、私は自分の行動に後悔した。
忽然と消息を絶ち、影も形も無く、どこかへ行ってしまった縁壱を探したい。
だけど父は許してくれなかった。しばいたろか?
厳格な父は私にお見合い相手の男性をあてがってきた。殴りてぇ。
まだ十四歳だっつーの!!馬鹿じゃねぇの!?
巌勝を庇いながらも私は縁壱を探すために町に出向いたが、成果はなかった。
母を亡くした巌勝は弱音を吐かなかった。長男だから我慢しているのだろうか。
せめて私の前では甘えてほしいものだ。
月日は巡り、あれから三年が経った。
三年経った今でも縁壱は見つからない。
縁壱は賢い子だから死んでないはずだ。
巌勝は十となり、背は伸びているが私にはまだまだだな!追いつくにはまだ早いな!
私は第一の死因のときに聞こえた【バフ】と言う言葉を考えていた。
この三年間でその言葉の意味がわかった。
私はなぜか体力が底をつかないのだ。
いくら筋トレしても疲れない。木剣を持って鍛錬しても竹で塀を何度乗り越えようとも疲れないのだ。
巌勝は私の体力について不思議そうにしていた。
巌勝の前では疲れたふりをしているが大人になったら気づかれるだろう。
十七となった私は父に言った。
『貴方に決闘を申し込みたいです、父上』
父は理由を尋ねてきた。
だから『早く隠居してくれ!』とストレートに言ったら父が怒鳴った。
「何故隠居しなければならない!」と怒ってきたので『お前のやり方が気に食わないんだよ!』とドストレートに怒りをぶつけたら決闘をオッケーしてくれた。
父が勝ったら私は嫁に行く。
私が勝ったら継国の領土を私に譲り、父には部屋でのんびりしてもらうことにした。
巌勝にそんな話をしたらオロオロしながら「姉上、無理ですよ」と言ってきた。
『何弱気になっているんだ!』と喝を巌勝に入れた。
私には体力無限バフがかかっているので負ける気はしない。
早く闘いたいな、と思いながら笑っていたら巌勝は眉を寄せた。
せっかくのかわいい顔が台無しだぞ、と思いながら私は右手を太陽に向けた。
今日の太陽は眩しいな。
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スイレン(プロフ) - この作品大好きです!続きめっちゃ楽しみです!更新頑張ってください! (2020年6月5日 22時) (レス) id: 712cc87224 (このIDを非表示/違反報告)
弍神 - うおおおおおおお!こんなにもいい作品があったとは!ありがとうございまs(((続きも頑張ってください! (2020年6月4日 23時) (レス) id: ea6df43fbb (このIDを非表示/違反報告)
きょうちゃん - めちゃめちゃ面白かったです!!続き楽しみにしてます!!更新頑張ってください!! (2020年6月4日 16時) (レス) id: 69a8ce92b1 (このIDを非表示/違反報告)
ふりこ(プロフ) - これすごい面白い!気が狂いそうになるのも分かります!(笑) (2020年6月4日 16時) (レス) id: ae6073fefe (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹(プロフ) - 毎度のように続きが気になって狂いそうです。笑笑 (2020年5月23日 13時) (レス) id: 9dc1f8537e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無し61903号 | 作成日時:2020年5月16日 6時