鬼舞辻無惨の親友は生き返る【鬼滅の刃】

#18　耳飾りと竹の笛と櫛 ページ18

母が壁に片手を付きながら廊下を歩いていたのを見たとき、私は母に自分に掴まってほしいと頼んだ。

母は私の肩をしっかり掴んで厠や部屋に移動していたら縁壱もやってきた。

縁壱は何も言わずに母の左半身にいつもぴったりくっついている。


巌勝「雅姉上」


七歳になった巌勝は私のことをそう呼ぶようになった。

あまりにもショックだったので姉上と呼んでくれと懇願したら直してくれた。弟優しい。

縁壱は相変わらず話してくれない。

母は縁壱のために耳飾りを作って与えた。

巌勝は縁壱のために竹の笛を作って与えた。

私は縁壱に櫛を与えた。その櫛には三つの星を彫っておいた。

私たちは継国姉弟という意味と、離れていても近くにいるよという意味を込めて。


巌勝「姉上…」

『どうした巌勝』


父に頬を殴られた巌勝が私に竹の笛を渡してくれた。縁壱より長くて穴の数は五つある笛。

巌勝のかわいいほっぺを殴ったクソ父を倍返ししに行ってもいいかな？


巌勝「姉上が困ってるとき、この笛を吹いたら私と縁壱が駆けつけます。だから、その……頼ってほしいんです」


え、巌勝がデレてる…なんだこの生き物かわいいんですけど。


『弟が！！かわいい！！死ぬ！！』


思わず笛を口に近づけて「ピィー！」と吹いた。

巌勝が「早いです姉上！」と言った。

そのとき、縁壱が無表情でスパァン！と襖を開けてやってきた。

セコムかよ！！早いな素晴らしい！！


巌勝「よ、縁壱。早いな…」

『目に入れても痛くないかわいい弟たち！』


私は二人まとめて抱き締めた。

ギュウギュウと締め付けてから手を離す。


『ありがとう巌勝、縁壱。姉上は頑張るよ』


三人で笑い合った。縁壱は相変わらずの無表情だったけど。

無表情の縁壱もかわいいから許す。

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