#2 令和から平安時代へ ページ2
目が覚めたら木造建築の屋根が見えた。
左右を見たら襖。ここはどこだ。病院ではないのか?
右手を持ち上げたら、右手が小さかった。
よく見ると私の体は小学生になっていた。
髪の毛は短くなっている。誰だよ私の髪の毛切ったやつ!それに私は敷布団じゃなくてベッドで寝てるんだよ。
体を起こすと違和感に気づき、布団を捲った。
恐る恐る下半身に手を伸ばすと……ある。
男についているものが、私についている。
『お、男オオおぉ!?!?』
掛け布団を蹴って後ろに下がると着ている服が着物になっていることに気がついた。
「若様、どうしましたか」
女性三人が声をかけながら部屋に入ってきた。
私はわけがわからず『下がれ無礼者!』と言って立ち上がり空手の基本の構えをする。
心臓がドクドクと脈打つのを感じる。
女性は頭を下げるなり「若様がいきなりお倒れになられたのでご病気かと思い介抱をしておりました」と冷静に言った。
倒れた?介抱?ご病気?は?お前は何を言っているんだ?私は一度も病気になったことなどないんだぞ。
『私は倒れてなどない。あれは気絶のモノマネをしていたのだ』
「は、はぁ…」
『わかったら下がってくれ』
女性三人を下がらせて襖を開けると、そこには見事な美しい日本庭園が広がっていた。
日本史の資料集でしか見たことがない日本庭園。
私は自分がタイムスリップしたのだと初めて気がついた。
縁の下で放心状態で庭を見つめていたら歩いてきた男性に声をかけられた。
「雪彦、体は大事ないか?」
雪彦?雪彦とは私の名前か?
「隣のあの子のように倒れたと聞いてな……病が移ったかと思ったぞ」
『……あの子とは…?』
「月彦だ。忘れたのか?一緒に和歌を詠んだ仲だったじゃないか」
月彦、と男性は言った。
私は後にあの男性が私の父親だと聞かされた。
部屋に入ってきた女性三人は私の女中ということも聞いた。
私はどうやらこの家の次男らしい。しかも貴族とか……
そしてここは平安時代だということを知った。
彼氏の股間を鮭トバで殴ったのが罰当たりだったのかな。
それとも友人に柔道の一本取ったのがまずかったのかな。
それとも『初めっからやり直してぇ』と言ったのがいけなかったのかな。
私は悩んで悩んでこう思いたった。
筋トレしよ。
*
☆令和でも平安でも、やることは変わらない──!
106人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スイレン(プロフ) - この作品大好きです!続きめっちゃ楽しみです!更新頑張ってください! (2020年6月5日 22時) (レス) id: 712cc87224 (このIDを非表示/違反報告)
弍神 - うおおおおおおお!こんなにもいい作品があったとは!ありがとうございまs(((続きも頑張ってください! (2020年6月4日 23時) (レス) id: ea6df43fbb (このIDを非表示/違反報告)
きょうちゃん - めちゃめちゃ面白かったです!!続き楽しみにしてます!!更新頑張ってください!! (2020年6月4日 16時) (レス) id: 69a8ce92b1 (このIDを非表示/違反報告)
ふりこ(プロフ) - これすごい面白い!気が狂いそうになるのも分かります!(笑) (2020年6月4日 16時) (レス) id: ae6073fefe (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹(プロフ) - 毎度のように続きが気になって狂いそうです。笑笑 (2020年5月23日 13時) (レス) id: 9dc1f8537e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:名無し61903号 | 作成日時:2020年5月16日 6時