第36章 ページ36
「Aへ
元気か。周りの奴らはお前がしんだなんて言ってるが俺は信じねぇ。
お前はいつか必ず生きて帰ってくる。そしたら俺のサイドキックにしてやるよ。」
「Aへ
この間、おじさんとおばさんに会ったよ。お前がいえねぇからそりゃ元気とはいかねーが思ったより明るくて安心した。強い人たちだからその子どものお前も強ぇはずだ。
早く会いたい。」
「Aへ
今日テレビで誘拐事件の生存率なんてものみちまった。本当はお前が生きているのか生きていたとしてもどんな扱いを受けているのか考えただけで壊れちまいそうだ。
A、早く帰ってこいよ。」
その手紙の下にはノートみたいなものが置いてあった。
「今日、俺はAがどういう状況で今まで過ごしていたのかを先生達から教わった。
ヴィラン連合のアジトでみたAは全くの別人で正直俺は怖かった。俺のことを覚えてねぇA、死柄木のことを親しげに呼ぶA、どれもこれも俺の知らねぇAだった。
けど、そんなことよりもAに死柄木の花嫁だとか抜かしたこと言ったヤツもAのことを気安く呼ぶ死柄木も全員ぶっ殺してやりたいと思った。
ヒーローが用意した施設に預けられたAに俺にだけ面会の許可が出た。
嬉しかった。あれだけ会いたかったから。この日をどんなに待ち望んだか。
でも話すとやっぱり俺の知ってるAじゃねぇ。ムカつく。死柄木の話なんてするなよ。お前は俺と一緒にいるんじゃなかったのかよ。
Aのそこらじゅうにある噛み跡もムカつく。お前は俺のだろうが。
けどやっぱ生きてて触れられることが嬉しい。名前を呼ぶと返事が返ってくるのも。
変わっちまったけど変わらねぇとこもあってそれも嬉しい。
変わっちまったとこもかわいいと思ってしまう。
今は勝己くんだがいつか前みたいに勝己って呼ばせてやる。」
なんだか感情を殴りがいているみたいで支離滅裂だけど私が変わってしまったショックと帰ってきた嬉しさが混在していて何より今の私もみてくれているみたいで少し嬉しい。
ポタポタとノートに水滴が落ちた。
「何やってんだよ。」
耳元で勝己くんの低い声が聞こえた。
「ご、、、ごめ、、、ごめんなさい。」
私はいつのまにか嗚咽するほど泣いていたようだ。
後ろから抱きしめられ両腕を掴まれる。ノートを持っていた手が緩み床に落ちる。
気づけば私はくるりと回転させられて勝己くんと向かい合わせになっていた。
するとぎゅっと正面から抱きしめられた。
「みたんか？」
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (11月10日 19時) (
レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
あの - 最初はどうなる!?って思ったけど今はほんわかしてますね！応援してます！ (2021年10月29日 20時) (レス) @page24 id: 347eae7089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーちゃん | 作成日時：2021年8月17日 12時
