第35章 ページ35
私は先にお風呂から上がって部屋にいる勝己くんを呼びに行った。
「勝己くん、お風呂上がったよ。次は行って。」
部屋に入ると一瞬驚いた顔をしながらも少し微笑んでああ、と返事をした。
部屋を出る前に机にある写真立てを写真が見えないように伏せてから部屋を出た。
「風呂入ってる間、部屋入るなよ。」
私にそう言ってお風呂へいった。
そう言われるとみたくなるなぁ。
そう思って部屋の周りに誰もいないのを確認するとすっと入った。
なんだかすごく整理されてる部屋で物色するにしても物を動かしたら気づかれそうであまり触る気にならないな。
私はとりあえず部屋を出る時に伏せられた写真立ての中を除いた。
そこには私が両手を勝己くんの肩に回してぎゅっとくっつきながら笑顔をカメラに向けている写真だった。勝己くんは目線を私に向けて頬を少し赤くしている。
お花畑で撮られたのか私は頭に花冠とお花の指輪をしていた。
写真の中の私はとても幸せそうだった。
写真にはしわくちゃにした跡と水滴が落ちたように何箇所か丸く色が滲んだ跡があった。
本当に私のこと大事に思ってくれてたんだ。
よくみると机の引き出しに手紙のようなものが挟まってた。
なんだろう？私が引き出しを開けてそれを取り出した。
手紙であってるみたい。子どもの拙い字でかつきへと書かれていた。
裏にはAより、と。
私が勝己くんにあてた手紙だ。
「わたしはかつきのことがだいすき。
かつきは？
いつかかつきとけっこんしてうぃらんたおしておーるまいとみたいなかつきをささえるの。
むこせいのわたしでもかつきといっしょにたたかえるかな？
これからもいっしょにいようね。」
手紙にはこう書いてあった。
読んでいる最中私の胸はぎゅっと締め付けられて苦しかった。昔のこの時の私に申し訳ないと思った。
昔の私が今の私をみたら泣いているだろうな、そう思った。
だって私にはもうならないことばかりだったから。
引き出しにはあと何通かの手紙が入っていて他は勝己くんから私にあてた手紙だった。
そういえば、、、私は勝己くんの部屋を出て自分の荷物の中から前にもらった手紙を取り出した。
また勝己くんの部屋に戻ってその手紙をちゃんと読んだ。
「Aへ
おれもAがすきだ。
どんなAでもおれがおまえをさいどきっくにする。
ずっといっしょだ。」
これが私が誘拐された日に渡そうとしていた手紙、、、
そのあとの手紙は字が整っているからきっと小学校や中学校に入ってから書いたのだろう。
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (11月10日 19時) (
レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
あの - 最初はどうなる!?って思ったけど今はほんわかしてますね！応援してます！ (2021年10月29日 20時) (レス) @page24 id: 347eae7089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーちゃん | 作成日時：2021年8月17日 12時
