彼女が遠慮をする意味【烏野】

我慢をする意味１０ ページ11

貴方Side


話したら絶対嫌われる。

皆はなれて行くに決まってる。

怖い。話すのが怖い。


清水「Aちゃん。話してくれない？」

貴方「いくら清水先輩のお願いでも、聞けません。」

清水「…話すのが怖い？」


あぁ、怖い。怖いさ。


貴方「ほっといてください。」

清水「Aちゃん。Aちゃんが中学の時、何をしたのか、されたのか知っても、みんなはなれて行かないよ。みんな、Aちゃんが心配なんだよ。」

谷地「わ、私じゃ頼りないかもしれませんが、あ、あの、話してくれませんか？」


心配されてるって事は、皆の顔を見て分かった。

話してもいいんじゃないか。少しそう思う事があっても、体が強張って何も話せなくなる。

喉に何かが詰まっている感覚があって、胸が苦しい。


貴方「無理。絶対無理。お、お願い。皆帰って！」


軽くパニックになって、涙が出て来て、体が震えた。


西谷「相澤！」


体が何かに包まれた。

ふわっと香って来たのは、西谷の匂い。


西谷「俺達は大丈夫だ。お前の話をしても、こいつらは絶対離れていかねぇ！俺が保証する。」

貴方「西谷の保証なんか信用できない。」

西谷「じゃあ、もしこいつらが離れていったら、俺は先輩も後輩も関係なく殴ってやる。」

貴方「そんなことしなくていい。」

西谷「なぁ、話してやってくんねぇか？俺が付いてるから。」


西谷は私の目を見てそう言った。

胸の苦しさと、のどに詰まっている何かが取れて、体の力が抜けた。


貴方「私、自分で言うのもなんだけど、中学の時はこんな性格じゃなかったの。」


私は、話し始めた。

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