貴女がこの世を恨むまで【終】 3 ページ9
ディエスsaid
とあるモニター室────
主任と俺は、三蔵法子が療養している病院の映像を見ていた。
法子父『【お前の存在は
人に不幸しか呼ばない！
その力はただの呪われた力だ！
代々その力を封印するのが我々が
一族のつとめだった】』
傷の男「よく『聞こえる』かい？」
椅子に腰掛け、モニター越しにいる三蔵法子に向かってそう尋ねる主任の後ろで、俺はただ黙って見続けていた。
映像には実の娘に『心』からの罵声をあげる三蔵法子の父親の姿と、力によって聞こえる父親の『本音』に動揺している三蔵法子の姿が映し出されている。
デ「流石ですね主任。
こんな鮮明に人間の心が聞こえるように
三蔵法子の力を変えるなんて。」
傷の男「『変える』？…いいや、それは違う。
私はただ『直した』だけだ。
彼女には元々その力があった。
それを私が少し手を加えて
『聞こえる』ようにしただけさ。」
よく言いますね…主任
こうなることを読んでいて
敢えて三蔵法子たちの様子を
伺っていたんでしょう
デ「相変わらず、いい性格してますね。」
傷の男「ふふっ…君がそう捉えるなら
そう思ってもいいよ。」
法子『「お父様…」』
法子父『「お前はもう私の子ではない！」』
父親は無慈悲にも縋ってくる三蔵法子を札を使い、動きを封じた。
傷の男「一つ言い忘れていた。
君にはもう『人権』はない。
人によって捨てられた哀れな『モノ』
それが君だよ。」
周りの人間はそんな法子をもう『人』とは見ていなかった。誰もが法子のことを【玄奘】と呼び、そして法子は父親の手によって山奥の大岩に幽閉されてしまった。
傷の男「これが君にとっての現実。
君は夢を見すぎた。
もう目を覚まそうじゃないか。」
ブチッ────
そう言って主任はモニター画面のスイッチを切った。
デ「…人間って、あそこまで残忍なことが
できるんですね…
自分の子を『化物』と言い
しまいには、大岩に閉じ込めるなんて。」
傷の男「人は、自分より強い力に
憧れる反面で恐怖を抱く生き物さ。
彼女の父親は、恐怖故に娘の力を恐れ
弱い自分を肯定させる為に
彼女を『化物』と呼ぶんだよ。」
主任の言葉に俺は表情一つ変えずに納得した。だが、ほんの僅かに三蔵法子に同情を抱いた。
────もしあの時
俺たちといることを選んだら
お前の未来も少しは変わったのかもな…
デ「ほんと…哀れな女だ…」
それを最後に、俺と主任は部屋を後にした。
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文月(プロフ) - そちらも大変だったんですね。こちらは初めての合作をする機会があっただけで楽しかったですよ。寂しいですけど、元気でいてください。ありがとうございました。 (2021年4月17日 17時) (
レス) id: d9fb1865d4 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 成りすましのミリア、雪華も悪質なコメントである質問も合作を放置と誘いをしてしまったんです。誠に申し訳ありませんでした。作るの引退をしますのでお詫びします。 (2021年4月17日 15時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：文月 | 作成日時：2020年10月11日 15時
