8. Beautiful〔綺麗〕 ページ10
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皇「……クッ」
壁際まで追い詰められると、
奴はそっと俺の手を握り始めた。
すると、今まで見たことの無いような
悲しそうな顔で、
言葉を1つ、1つ紡ぎ出した。
『……君はまだ若いし、これから色んな
経験もしていくと思う……だけど、、、、』
そして、少しの間が空いてから
アイツは俺の顔を見た。
俺も逸らさず顔を見つめると、
「(……あぁ、なんて美しい顔なんだと)」
流石今注目、いや演劇の才能の持ち主
その儚げな顔が俺を夢中にさせる。
『……決して綺麗な世界ではないからね((ニコッ』
そっと笑うと、俺は何も言葉が出ず
その場に佇む。
すると、また俺の手を取り
軽く微笑んで、
『……Aで呼んで?
ほら、俺も、、、、一応ここの仲間な訳だし?(笑)』
「…何だよ、その変わりよう((コソッ
わかった、けど歳上だからAさんで」
そして、Aさんは笑顔で頷き
繋いでた手を離した。
『…俺お腹すいなぁー』
「……はぁ!?食べたんじゃないのかよ」
『…いやー、なんと言うかストレスで?(笑)』
「……何だよそれ((クスッ」
距離が縮んだAさんとテラスを離れ、
夜食を食べにキッチンへ降り立った。
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『…おはようございます!』
いづみ「…あっ、おはようございます!
A君、早起きだね?」
いつも起きる時間より早く起きると、
そこにはソファーにくつろいでいた
いづみさんの姿が……。
『……何か天気良くてすぐに起きてしまいました(笑)』
いづみ「だねー、今日1日天気良いみたいだよ」
いづみさんは、呼んでいた本を閉じると
軽く伸びをし、
俺を見つめた。
『……?』
不思議に顔を傾けると、
いづみさんはクスッと笑った
いづみ「……フフッ))
Aさん、寝癖付いてますよ?」
髪の毛を指をさされると、
確かに触ったら、
ちょんと跳ねていた。
『……うっわ///はず』
恥ずかしくなり、顔を逸らすと
いづみさんは
大笑いしていた。
まだ、少し朝早いのに
騒がしく、またちょっと微笑ましい朝を迎えた。
『……』
黙っていづみさんを見つめる。
見ていると小動物みたいにちょこまかちょこまか
動き、その可愛らしい動きについ笑った。
『…………可愛いな』
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作者名:まみんちゅ | 作成日時:2018年5月5日 23時