三ツ谷隆が恋する無気力男子

第16話 ページ18

夢主side




帰りのHRが終わり、

ゲーム機しか入ってない
スッカスカのスクールバッグを持って教室を出る




今日はいつもみたいに、

右隣の席から


「A！帰ろーぜ！」


なんて声は聞こえず、



三ツ谷はそそくさと帰ってしまった







なんだか変な感じだなぁ

なんて思いながら

俺も校内を出てゲームをしながらぼちぼち家に帰る




中1の頃や中2の最初の方なんか
こんな感じだったじゃないか

1人ゲームしながら帰ってた

前と一緒だ

何もおかしなことはない



三ツ谷とは
中3になってからちょっと話す機会が増えただけだ





ピコピコ

ピコ


『・・・・』



なんだか自分でいじっていた
ゲーム機の音が癪に障る



ピコピコ




ピコピコp((ブツン







電源を切ってかばんにしまう






こんなの、初めてだ

俺がゲームの音にイラついて
自分の意思でゲームの電源を切るなんて



俺、何にイラついてんだろ



なんでこんなに今日は上手くいかないんだろう




おれ、どうしちゃったんだろう




こんなキャラじゃなかったのに

















「おい」





三ツ谷が関係してるのか？







いや、ないな











「おい」








だって三ツ谷はただのクラスメイトだし



ともだちとも呼べるかあやしい







「おい」







じゃあなんだ？

昨日食べたカレーに入っていたのが
枝豆だと思って食べたらグリーンピースだったから？


いやあの時は確かに
枝豆に擬態するグリーンピースに嫌悪感は感じたが、

そんなので今日1日引きずったりしない





「おい！」






こんな日が続いたら俺どうなっちゃうんだろう



きっと何をしても虚無になって

いずれ廃人になって
生きる屍となって
皆に忘れ去られてしまうんだろうな










「おい！！

聞こえてんのかこの木偶の坊！！！」





・・・でくのぼお？





誰に言ってんだ？








「くっそ猫背野郎シカトしやがって潰すぞ」


「56されてーのかチビ」



「耳聞こえてねーのかよこのゴミカス」



















俺か

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