三ツ谷隆が恋する無気力男子

第13話 ページ15

夢主side






三ツ谷に言われた通り、

昼休みに入ると、
家庭科室に行き、

三ツ谷にボタンを縫い直してもらう







電気をつけてたくさんのミシンが置かれた机を見渡してみると、俺と三ツ谷以外誰もいないことが分かる











「A、そこ座って」









『・・・ん』








指された椅子に座ると、





三ツ谷も隣から椅子を引っ張りだしてきて、
俺の目の前に座る







三ツ矢の手には裁縫セットがあった








裁縫セットから針と糸を取り出して、
器用に糸を針に通す





準備が整ったのか、
針を片手に俺のシャツのボタンに手をかける






「危ないから、





動くなよ」






一言だけ忠告して、
その後は黙ってチクチクと縫っていく




その様はまさに手芸部部長らしくて、
器用だなあと感心してしまう







俺の胸元のボタンに糸を通している三ツ谷の顔は、
俺のすぐ目の前で、
おそらく今までこれほど距離が近かったことはない





いつもと違う真剣な顔、


いつもよりも近い距離、




何故だか心臓がどきどきしてきた

















・・・・・・なんでだろう？










三ツ谷が針持って縫ってくれてるからかな

三ツ谷のことだから刺さらないとは思うけど












珍しく緊張しているのか？
理由はよく分かんないし考えるのもめんどくさいけど
俺の心臓のどきどきは早まるばかりで、


全く落ち着く気配がない









三ツ谷の整った顔を見て、
そういえば三ツ谷って、いけめんだよな


なんて思う



















すると突然、集中してボタンを縫っていた三ツ谷が、
ふと顔を上にあげ、

じっと三ツ谷のことを見ていた俺と目が合う






「なに見てんの」














『・・・・・・見てない』


「いや見てただろ目合ってんだから」

















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