第22話 ページ23
呪霊が見えるようになったのは、
あいつのせいで、俺はこんなものが見えるようになってしまった
いつしか俺は、こんなことを考えるようになった
ごく普通の、どこにでもある家庭に生まれたおれが、
ただ普通の人には見えないものが見える妹がいるだけの
ごく普通の俺が、
“普通”じゃなくなった
小さい時から見えていた妹とは違い、
俺には何も見えない
心底妹は哀れな部類の人間だと思ってたよ
でも、妹と一緒にいたせいで
妹なんかいたせいで
俺にも見えるようになってしまったのだ
なんの根拠もないのに、
俺はただただ今まで以上に妹を憎んだ
「お兄ちゃん、あたしね
結婚するの」
20歳になってすぐ、妹は俺に結婚の報告をしてきた
「相手すっごく優しくてさ
本当に大好きなの
一生この人といたいって思えたの」
成人した妹は幼稚園児だった頃の面影はなく、
随分と大人しくなった
嬉しそうに夫の話をしている
「それでね、お兄ちゃん」
結婚指輪を、指ををつけていない方の手でカリカリと
さすっている
「京都に引っ越したの
もう、彼との結婚生活幸せでさ」
ニコニコと口角が上がっていく
「本当に結婚してよかったって思ってさ」
しかしまだ喋り方に幼さがある
「もう子供の話もしてるの
もうそろそろ子供欲しいねって
あたしに子供できたらさ、
お兄ちゃんもうおじさんだね」
可笑しそうに、でも幸せそうに笑っている
「それでさ、お兄ちゃんはさ
呪術高専てところで教師になったんだよね？
どお？楽しい？」
おかしい
妹には教師になったとは伝えたが、
呪術高専でとは言っていない
呪術に関して一切話していないし、
そもそも俺にも呪霊が見えるようになったことを知らないはずだ
「東京で先生なるはずだったのに
あたしのせいで
あたしが病気になっちゃったせいで京都まで来てもらっちゃってごめんね」
申し訳そうに俯く
「あの人、本当に仕事忙しくってさ
代わりに看病してくれてありがとう
でもあたしの病気、なんなのかわかんないの
治療法も病名も…
死 んだ時も
普通の死に方じゃないなって
お兄ちゃん、気づいたでしょ？」
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紫侍。(プロフ) - マコさん» コメントありがとうございます。そんな風に思っていただいて本当に嬉しいです！これからも頑張ります<(_ _)> (10月30日 22時) (
レス) id: 6ade4fecf6 (このIDを非表示/違反報告)
マコ(プロフ) - 初コメしつれいします！この作品大好きです！！最近は更新ずっと楽しみにしてて、最新話出てるのに気付いた時の喜び半端ないですwこれからも応援してます！！ (10月30日 18時) (レス) id: a670e33e5a (このIDを非表示/違反報告)
紫侍。(プロフ) - 瞳子さん» 嬉しいコメントありがとうございます<(_ _)>モチベ上がります！ (10月11日 18時) (レス) id: 6ade4fecf6 (このIDを非表示/違反報告)
瞳子 - めっちゃ好きです！！続き楽しみにしてます😵💨 (10月9日 20時) (レス) @page36 id: 244aa9f702 (このIDを非表示/違反報告)
紫侍。(プロフ) - ミントさん» ありがとうございます、もっと楽しんでいただけるように、引き続き頑張ります！ (10月8日 10時) (レス) id: 6ade4fecf6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫侍。 | 作成日時：2023年9月26日 4時
