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第19話 ページ20

冷や汗が、頬を伝った



















ドアノブを握った手をそっと離した














「お兄ちゃんあかない!
助けてあかない!!
お兄ちゃん!」







音程も言葉も何もかも同じまま繰り返される
妹の声に、心臓の鼓動が早まった

当時馬鹿で単純な脳をしていた小学生の俺でも、
今の状況がただ事ではないことは分かった





このトイレのドア越しに、妹ではないものがいるのかもしれない


それは多分、おそらく妹がよく口にしている
“ナニカ”だろう






お化けだろうが幽霊だろうが
基本そいうものに対する恐怖心は
何故か幼い頃からなかった




だが、この時だけは、
自分の身に起こっている不可解な現象に、
冷や汗と身震いが止まらなかった



とにかく、やばい、と思った




俺には今まで見えてこなかったソイツらが、
今こうして俺に近づこうとしている

どうする?

母さんを呼ぶ?

取り敢えず妹の名前を呼んで安否を確認してみる?

ドアを開けてみる?













いやいや、まさか

そんな自ら死に近づくようなこと・・・・







「え、なに、お兄ちゃんどうかした」



『!!!!』






口から心臓が、飛び出るかと思った

トイレのドアの前で佇んでいた俺の横から
突然声をかけてきたのは


















妹だった








紛れもなく、こいつは妹





俺の、妹














『・・・・え、え?』



ちゃんと妹が目の前にいる安心から、
一気に心が解放されていく感じ

しかしそれと同時に、
トイレから鳴り止まなかった妹の繰り返される台詞
が気づいたら止まっていたことに気づき、
俺の頭は混乱した









おそらく横にいるコイツは、本物の妹だ

じゃあ、さっきまでトイレのドア越しに俺に助けを求めていたアイツは?

トイレの電気も確かに付いていて、
ドアもしまっているのに、
今横に妹がいるのがおかしい

俺を夜中にわざわざ起こしトイレについて行かせてきた
あの鬱陶しい妹は、?
あの時から偽物だったというのか??









『お、おい、お前、さっきまでどこに・・・』






「え、?寝室だけど






なんかお兄ちゃん、大丈夫?
お兄ちゃんが1人でトイレ行けって言うから、
怖くて、もう明日の朝でいいやってなって
お布団にくるまってあの後結局あたしまた寝たじゃない

頑張ってトイレ我慢して寝ようと思ったら
お兄ちゃんが急に寝室出てくから、なんだと思ってさ


着いて行ったら1人でトイレのドアの前に立って・・・




どいう状況?」

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紫侍。(プロフ) - マコさん» コメントありがとうございます。そんな風に思っていただいて本当に嬉しいです!これからも頑張ります<(_ _)> (10月30日 22時) (レス) id: 6ade4fecf6 (このIDを非表示/違反報告)
マコ(プロフ) - 初コメしつれいします!この作品大好きです!!最近は更新ずっと楽しみにしてて、最新話出てるのに気付いた時の喜び半端ないですwこれからも応援してます!! (10月30日 18時) (レス) id: a670e33e5a (このIDを非表示/違反報告)
紫侍。(プロフ) - 瞳子さん» 嬉しいコメントありがとうございます<(_ _)>モチベ上がります! (10月11日 18時) (レス) id: 6ade4fecf6 (このIDを非表示/違反報告)
瞳子 - めっちゃ好きです!!続き楽しみにしてます😵💨 (10月9日 20時) (レス) @page36 id: 244aa9f702 (このIDを非表示/違反報告)
紫侍。(プロフ) - ミントさん» ありがとうございます、もっと楽しんでいただけるように、引き続き頑張ります! (10月8日 10時) (レス) id: 6ade4fecf6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫侍。 | 作成日時:2023年9月26日 4時

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