俺よりイケメンとか腹立つから呪ってやった【五条悟】

第16話 ページ17

夢主side



俺は、ごく普通の家庭に生まれた






3つ離れた妹がいるだけの、ごくごく普通の家庭に生まれた








俺は妹があまり好きではなかった










俺は小学生の時から友人と放課後森へ入ったり
秘密基地を見つけるべく山を登ったり
中々自由な学生時代を送っていた




しかし厄介なのが、妹がいること




妹は同級生と遊べばいいのに、
何故かいつも俺に着いてくる









『危ないから、家でお母さんと待ってろって言ったじゃん
なんでついてくるんだよ』






この日は確か、俺が友人2人に誘われて
小学校の裏にある大山に
新しく秘密基地を作ることになった

妹は懲りずにこの日も俺に着いてきた




『転んだくらいでそんなにめそめそ泣いてたら
本当に置いてくぞ
嫌だったら帰れよ』




俺の隣で友人が、まあまあ、
と俺を宥めようとしてくる



まだ幼稚園児だった妹には伝わらない
俺の気持ちは伝わらず、
顔を涙でぐしゃぐしゃにしながら
黙って後ろを着いてきた




頂上に近くなってきた頃





べしゃっ




と後ろで音がした









まさか

と思い振り返ると、
そこには泥沼に転んで顔や服を泥まみれにしている妹が

表情はまさに、
ギャン泣きする3秒前


こんなのを連れて遊んでも、
友人は遊びにくいだろうし、
おいてくとかほっとくとか口では言うが、
ある程度は面倒を見なくてはならない

言うことは聞かないし
高い所は苦手なくせに
俺が友人と木登りしてると一緒に登ってくる

人気の少ない静かな所もあいつは苦手だ
それなのに森探索も山登りも肝試しもついてくる

木登りに失敗して泣いているのをどうにかするのも俺だ、
転んで泣きべそかいてるのをどうにかするのも俺だ


なんで俺に妹なんかいるんだろう

妹がいない生活があれば
どれほど気楽で思いっきり人生が楽しめるのか





『おい、なんでそんな何もない所で転ぶんだよ』


溜息混じりに転んで立てない妹へといかけながら寄る


手を引っ張って何とか立たせると、
俺の手にも泥んこがついた


後ろから友人達の「大丈夫ー？」
という声が聞こえる


『大丈夫大丈夫
いつもの事だから』







わんわんと泣き止まない妹が、
おもむろにどこか先を指さした







『？、なに』


















転ばされた



















とその時妹は言っていた気がする











あの子にいっぱられた、









転ばされた












妹は舌っ足らずな口で必死に俺に訴えた

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