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☆62話:二人きりの帰り道 ページ16

すっかり日は沈み、ちょうど月が出始める頃。
もう夜遅いため、人気の少ない帰り道を、
二人で肩を並べて歩く。


隣を歩いている女の子が、自分の彼女に
なった子だなんて、実感がわくのには
まだ時間がかかりそうだ。



「……………そういえば、最初から二人で帰るの、
何気に初めてだよな」
「うん。いつも周りに誰かがいたからね」


「葵もさ、あの子…………、藤井とうまく
いってるみたいでよかったな」
「うん。今日は二人でご飯食べてから
帰るって」



………………。



会話が続かない。普段なら、何を話そう
なんて考える暇もないくらい、ベラベラ
喋りまくっているのに。


いつも、姫川さんと二人で、何の話で
盛り上がっていたっけ。
バレーのこと?お互いの部活のこと?
家のこと?それとも、勉強のこと?


ずっと何気ない話ばっかりしていたから、
こういう時、本当に何を話していいのかが
分からない。


「えっと…………」


何を言おうか迷っていたら、姫川さんが
不意に口を開いた。


「ねえ。恋人って、どんなことすればいいの?
私、初めてだから全然分かんなくて……………」
「お、俺も初めてだから…………、詳しいわけ
じゃないけど…………」


「手、繋いだりとか…………、昨日みたいに…………、ハグしたり……………とか…………。
あとは……………」



「あとは?」


「そ、その…………、き、キス、したり…………とか…………」
「き……………、」


姫川さんが真っ赤になって照れるから、
こっちまで恥ずかしくなる…………。


「わ、私、ちゃんとそういうこと、
勉強してくるねっ」


「う、うん…………」


そういうことわざわざ言うな、
真面目か……………!


まあ、そこが姫川さんのいいとこなん
だけど…………。


「あ、あのね。私、そういうこと、まだ全然
分からないけど……………。彼氏ができたら、
やってみたいって思ってたことがあって…………」
「と、言いますと…………?」


「丸山君のこと、下の名前で呼んでみたいっ!」
「えっ!!?」

☆63話:名前呼び→←♪61話:幸せ



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設定タグ:ハイキュー , 椿原学園 , 丸山一喜   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:咲彩 | 作成日時:2021年4月12日 21時

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