♪61話:幸せ ページ15
まずは二人にだけ言うつもりだったんだけど、琥珀ちゃんが興奮して、その後すぐに周りの
みんなに言ってしまったから、私たちが付き
合い始めたということは、あっという間に
バレー部とチア部全体に広まってしまった。
まあ、元から付き合ったことを隠すつもりは
なかったし、みんながたくさんお祝いの言葉
をかけてくれたのはすごく嬉しかったから、
いいんだけどね。
「え、お前ら、まだ付き合ってなかったのか」
「え?」
バレー部のエースで丸山君の友人の一人である寺泊君に、そう言われてビックリした。
「俺、もうお前らはとっくに付き合って
るものかと…………」
「「ええ!?」」
「俺もそう思ってた」
「「え、越後(君)も!?」」
「息ぴったし……………」
まさかそんな風に見られてたなんて、
全く思ってもみなかった…………。
「期末テストの勉強会やってた時だって
ラブラブでしたもんね!」
「そうそう!」
「あれで付き合ってなかったとか、
どんだけだよお前ら」
「そ、そうだった?そう見えてた??」
「自覚なかったのかよ」
「じゃあ、“アレ“も相手の気持ち知らない
ままやってたのか……………」
「“アレ“…………?丸山君、アレって何?」
「ほら、アレだよ。期末テスト前辺りから、
姫川さんが俺にだけあざとくなり始めた件…………!」
「ああ…………!そういえば、知らないまま
やってた」
「強っ」
「っていうか、あざといって…………、言い方
どうにかならないの?」
「あ、そこの言い方気にするのね」
「じゃあ、俺にだけめちゃくちゃ
可愛いこぶるようになった件について…………」
「それは………、間違いじゃないからいっか!」
「いや、あざといも間違ってないでしょ」
「でも、先輩方、ずっとお似合いだと
思ってたので、すごく嬉しいです!」
「ありがと!」
「ありがとう、当間君!」
色々なことがあった四日間だったけど、最後には
みんなにこんなに祝福してもらえて、すごく
幸せだ。
「じゃあ姫川さん、二人で一緒に帰ろっか!」
「うんっ!」
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作者名:咲彩 | 作成日時:2021年4月12日 21時