チューベローズの恋人【呪術廻戦】

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「なんて、言った？」


『結婚しよう。』








「………………………え？」


『結婚して。……私の、旦那さんになって。』








「……。」


『……。』









自分なりに気持ちを真っ直ぐ伝えたつもりだが、
一度聞き返したまま何も言わなくなった悟。

きっと喜んでくれる。
悟なら、私を受け入れてくれる。

なんて考えていた私は、自惚れていたのだろうか。
優しく待っていてくれた悟は、
もうとうに愛想を尽かしてしまったのかもしれない。

大きくて優しい愛にまどろんで、悟に甘え過ぎた私では、
やはり貴方に相応しい妻にはなれないのだろうか。









『……、』







さすがに沈黙が辛くなり、
肩に置いていた手を離してひじ掛けから腰を下ろす。









『……………呆れた？』


「……。」








『………ごめんね。』


「A。」









椅子から立ち上がり、
今度は悟の大きな手が私の首に添えられる。
背中を屈めて顔を寄せ、
綺麗な瞳に視線を縛られる。



この、青。


薄暗く、何もなかった私の世界を

ゆっくりと時間をかけ、
他のどの色も混ざれないほど濃ゆく、


貴方の色が隅々まで侵していった。







貴方が私の匂いにつられたように、
私もこの瞳に惹き寄せられた1人だ。









「ホントに、もう待たなくていいの？」


『……うん。』









「辛くなっても、離せないよ？」


『…離さなくていい。ここがいい。』









「……。」


『……。』









「ちょっと待って、一回キスするから。」


『え…返事、は…』

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