ゆらりふわりと海を行く【OP】 (ページ12)

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｢何してくれてんの？｣

ギリギリと締め付けられあまりの痛みに振りほどこうとしても彼の指が頭に食い込むばかり。

その力は痩躯のどこから出しているのか。このままだと頭蓋骨が割れそうだ。

｢っ……！！いたい、です…！！｣

｢呆れた、まるで品性下劣だね｣

割れそうに痛くて当然だ彼はいっそ割るつもりでノアの頭を掴んでいるのだから。

オーダーメイドの品を頼んでいたのだが、これでは品も無事かどうか。滅多に手に入らない大粒の宝石で頼んでおいたのに。

｢離しなさい、痛いです……！｣

｢死ねばいいのに｣

頭から手を離されるついでに足蹴にされる。なんて乱暴なのだろうか。

｢あんまり出ない色合いの大粒だったのに……貴重なオパールが台無し｣

ポイ、とゴミでも捨てるように投げられる。一瞬見えた彼の右目にはあるべきものが無かった。