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「1時間半前?で、顔白くて歩きにくそうで…見た目ではそんくらいだったような」
「トイレ行ってた?」
「はい、え、前にもこんなことあったの?」
田中さんの言動的に、そうとしか思えなかった
「大学の時にもっさんよく脳貧血なってたから、それだと思う」
脳貧血?
貧血の一つなのは分かるけど、脳で貧血?
「寝不足なだけだと思うけど、一応様子みてから帰るわ。教えてくれてありがとう」
そう言って急いで片付けを済ませたあと、田中さんは時間を確認して楽屋を出ていった
「...なんか、田中さんがいつもよりかっこよく見えた」
「裕翔まさか惚れたの?」
「やめてよ知念ー」
確かにかっこよかった
あんなに真剣になれるほど、きっとAが好きなんだろう
俺だって、好きだけど
頭が痛い
目がチカチカする
吐きそう
「はい、お疲れ様したー終了でーす」
スタッフの終了の声で、大江と白木が立ち上がってスタジオを後にする
収録中には少し忘れれたけど、終わってからまた一気に症状が襲ってきた
足元がおぼつかない
明らかに様子がおかしかったのか、前を歩いていた2人が立ち止まった
「椛ー、大丈夫?」
「うん、先に行って、て」
「いや、そこまで薄情じゃないし...白木、そっちの肩...」
「いた、もっさん!」
珍しく焦ったような顔の田中が走ってきた
そういえば、田中は知ってるんだった
「なに」
「寝不足でしょ?あの、私も楽屋についてってもいい?」
「え、田中さんどうしたの。まあ、行きましょう」
その後、肩を持たれ、10分かけて楽屋に戻った
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作者名:Splay | 作成日時:2017年3月26日 15時