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麻衣ちゃんと別れてから、Aを送りにnoviceの楽屋に向かった
「まいどー、A連れてきましたー」
「あ、Aやっと来た。すいません。何かありました?」
あ、ガチガチに緊張してた人だ、なんて思いながらAを横に立たせた
「なんか体調良くないらしいですよ。顔色も悪いし」
「ライブ前はいっつもこうなるんですよね。あれ、でもいつもより顔色悪い...」
隣を見てみると、明らかにさっきより顔色が悪く、しんどそうだった
「...ごめんなさい、ちょっとお手洗い、行きたい、から」
そう言って俺の手からAの腕が抜けた
「え、1人で大丈夫?」
心配だからそう声をかけても
「有岡さんは、そろそろ楽屋に、戻ったほうがいいんじゃないですか?」
そう言って微笑みながらAがドアを開けた
確かにもうすぐ楽屋にもどらないと怒られそう、特に山田から
「...じゃあ、俺の楽屋までは一緒に行こ」
「はい」
いつもよりゆっくり歩くAに合わせて歩いて楽屋に向かった
「大ちゃんって最近いっつもどこ行ってんの?」
「え?」
収録終わり、楽屋で帰る準備をしている時に、いのちゃんが眠たそうな顔で言ってきた
「週一で楽屋にいないよね」
「気づいたら大ちゃんいないんだよね…」
知念と圭人も、いのちゃんにのっかってきた。別に言ってもいいけど、変な風に思われそうだなー
「え、竹田麻衣さんと廊下で話してるよね?」
片付けをしていた田中さんが知らないの?という顔で言った
バレてたんだ、そりゃそうか
「大ちゃん...まさか」
「高木も光くんもやめろ!違うから!」
「大ちゃん、引くわ」
山田だけは軽蔑のような顔をしている
唯一俺がAに告白したことを知ってる山田からしたら
もう乗り換えたのこいつ
としか思えないはず
「いや、山田違うんだよ...あ、そう言えば田中さん」
「私?何?」
「Aが具合悪そうにしてたよ」
話題を変えるために何気なく言ったこと
メンバーも、またAちゃんか、みたいな顔をしてる
唯一田中さんだけが
「え、あー、それっていつ?どんな感じだった?」
いつもはおどけてる顔が、少しこわばっていた
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作者名:Splay | 作成日時:2017年3月26日 15時