全てを手に入れるまで【ルクソード】（リクエスト） ページ6
「A」
「……ルクソードか。 どうした？」
凛とした面持ちで、長い髪を翻してこちらに振り返ったA。その子は俺だと気付くなり、表情を変える事なくこちらに問いた。
俺は今日、この子に用があったのだ。
「ゲームをしないか？」
「私も暇だから別に良いが……珍しいな、この時間帯にお前が誘うのは」
Aの疑問ももっとも。本来ならば俺も任務に出ている筈の時間帯だからな。
…正直言ってしまえば、俺は任務そっちのけでこの子にこんな提案をしている事にはなる。
しかし、これが俺の中では最も優先させるべき事項だった。
何よりも大切なこの子に。
「さあ、何をするんだ？ 」
またトランプのゲームか？ と、何だかんだ目が少し輝いていて、気もそぞろなA。
固い口調でいつも無表情なこの子だが、素はとても無邪気で、子供らしい所があるという事を俺は知っていた。
毎度ゲームで共に遊ぶからか、この子が俺に特に懐いている事も知っている。
そんな可愛らしいこの子に、俺は一つ笑うと口を開いた。
「そうだな、ポーカーで良いか。
……ときに、どうだろう。賭けでもしてみないか？」
「賭け？ 生憎私は今何も持っていないぞ」
手を広げてそう示すその子。その動作一つ一つがとても愛らしい。
……大丈夫だ。
俺が欲しいのは今、君がしっかり持ち合わせているもの。
「Aが勝てばAの望むものを与えてやる。
俺が勝ったら……先ずは君の足を貰おう。」
先に足を奪ってしまえば、逃げる事なぞ出来まい。
そう告げた言葉に、明らかに顔色を変えたその子。
すると、少し敵意の混じった視線を向けるなり、その子は後退った。
「……冗談を言うな、ルクソード」
「冗談では無いさ」
一歩一歩後退していくその子に合わせて、俺は歩みを進めながらもその子に語りかける。
「既に知っているとは思うが、俺は賭け事が好きでな。
君との賭けは少しでも長く楽しみたい。だから、Aの身体のパーツを俺が勝つ度に少しずつ貰う。
そうすれば長く遊べるだろう？」
さあ、この子の命と、この子の望みを賭けて、私とこの子の勝負をしよう
何十回、何百回でも賭け続け、俺がこの子の全てを手に入れるまでは終わる事の無い勝負を。
俺が負ければAはきっとゲームを降りる。それがAの望みになる事だろうから。
だから、負けるつもりは毛頭無い。
「始めようか」
その時、こちらを見上げたあの子は酷く怯えた表情をしていた。
No.iの救済策【シオン】→←愛情、怨恨【ヴェントゥス】(リクエスト)
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レフト(プロフ) - ご満足頂けたようで何よりです。ソラさんもわざわざこのような小説にリクエストして下さり、誠に有難うございました。 (2019年5月27日 22時) (
レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても面白かったです！ありがとうございました (2019年5月27日 5時) (レス) id: 788aead105 (このIDを非表示/違反報告)
レフト(プロフ) - ムスメ3さん» 今までのご閲覧、誠に有難うございます。ムスメ3さんから頂いた沢山のリクエストは非常に捗りました。 (2019年5月27日 1時) (レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - すごい面白かったです！完走おめでとうございます！ (2019年5月26日 19時) (レス) id: a84e4bce58 (このIDを非表示/違反報告)
レフト(プロフ) - いちごみるくさん» 四ヶ月という時間を掛けて漸く完結致しましたが、初期の方から見て下さったいちごみるくさんには感謝しきれません。今までご閲覧頂き、本当に有難うございました。 (2019年5月26日 13時) (レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェトルクス | 作成日時：2019年1月25日 0時
