君への探究心【イエンツォ】(リクエスト) ページ20
「……心があるとこんなにも変わるんだな」
資料を見ながらも一人、ポツリと呟く。
忘却の城にて消滅し、人間に戻った僕は、気を取り直して日々研究に励む様になった。
物事を探究する事がこんなに楽しく感じるのはやはり心があるからなのだろう。
心、と言うものは本当に不思議なものだ。
手中に入れる事も、データ化する事も出来ない、身近で誰も真理に辿り着けないもの。
……案外、僕が今の今までずっと抱えている想いもそれと変わりなかった。
この、月日が経つほど重く、深く、沈んでいくこの心を。
「……A？ Aじゃないですか！」
「ああ、久しぶりだなゼクシオン……ではもう無かったか」
ある時、この城に誰かが来たらしく、いつもより賑やかな様子が目に見えていた。
物見高さに僕もそこを覗いてみると、なんという事だろう。嘗てあの場所で共に任務をこなしたあの子がいた。
僕が今も愛してやまないあの子が。
「___そうか……イエンツォだな。
私のことはこれまで通りで呼んでくれ」
雑談でもしようと、広場のベンチに一緒に座る僕とA。何だか以前より雰囲気の柔らかくなったその子が、地面につかない足を揺らしながらも告げた言葉に僕は頷く。
すると、僕の反応に満足したのかその子は少し微笑んだ。
……ああ、その仕草一つ一つが、どうしてこんなにも愛くるしいと思えるのでしょう。
その子の細かい仕草や言葉も、全てが僕の心を徐々に重くしていく。
「……ゼク……イエンツォ？」
「……！ ああ、すみません」
気付いたら、僕はその子の事をじっと見つめていたらしい。言い慣れない様子で僕の名前を呼んだその子にまた心が締め付けられる様な思いが積もった。
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レフト(プロフ) - ご満足頂けたようで何よりです。ソラさんもわざわざこのような小説にリクエストして下さり、誠に有難うございました。 (2019年5月27日 22時) (
レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても面白かったです！ありがとうございました (2019年5月27日 5時) (レス) id: 788aead105 (このIDを非表示/違反報告)
レフト(プロフ) - ムスメ3さん» 今までのご閲覧、誠に有難うございます。ムスメ3さんから頂いた沢山のリクエストは非常に捗りました。 (2019年5月27日 1時) (レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - すごい面白かったです！完走おめでとうございます！ (2019年5月26日 19時) (レス) id: a84e4bce58 (このIDを非表示/違反報告)
レフト(プロフ) - いちごみるくさん» 四ヶ月という時間を掛けて漸く完結致しましたが、初期の方から見て下さったいちごみるくさんには感謝しきれません。今までご閲覧頂き、本当に有難うございました。 (2019年5月26日 13時) (レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェトルクス | 作成日時：2019年1月25日 0時
