記憶したか？【アクセル】(リクエスト) ページ14
10年前くらいの話だったか。
アイザと共に城へ向かおうとしていた時、ある一人の女の子が中央広場で倒れていた。
気が付いた俺達は、慌ててその子に駆け寄り覗いてみる。すると、気絶しているその子は酷く傷を負っているのがわかった。
そこで俺達はその子を抱えて城に行く。門番達も流石の異常事態に気付いたのか、今回はすんなりと通してくれた。
アイツらの助けを借り、その子の怪我を治療する。
そして、少し時間が経つと、その子は目を覚ました。
それから、事情を話し、少しだが会話を交えてその子と友達になった。
名前を教え、「記憶したか？」と口癖を言えば、その子は笑って大きく頷いた。
その子はふわふわとして儚くて、時頼笑顔の中に悲しさが混じっている不思議な子だった。
年は多分、その時の俺より少し上くらいだったか。
先の何かを見据えてる様な…そんな子だ。
「そろそろ、二人を探さなきゃ。
……大丈夫。キミ達のことはずっと記憶するよ。
じゃあ、また会おうね」
そう言ってそれっきりいなくなってしまったその子。
その子との時間は短いものだったが……正直俺はその子に惹かれていた。なので、俺の初恋は悔しくも砕け散った様に思われた。
……けど、そうじゃねぇらしいな。
円卓の中心でこちらを見上げる、フードを被った新しい機関員。その暗がりに隠された瞳に、とても懐かしい感覚が蘇った。
「よう、A……だっけか？」
俺はフードを被ったそいつに話しかける。声をかけられた事に気が付いたその機関員は、こちらに振り返った。
「……ああ、そうだ」
そう言ってフードを外したその姿は、やっぱりあの子によく似ている。
名前は違えど、性格も違えど、Aはあの子だと確信めいたものを感じた。
「俺の名前は？」
「確か……アクセルと言っていたな」
しかし……あの時教えた俺の名前は呼ばない。
不思議そうに此方を見上げるA。
どうやら、俺の名前は、存在は……Aの記憶に残っていない様だった。
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レフト(プロフ) - ご満足頂けたようで何よりです。ソラさんもわざわざこのような小説にリクエストして下さり、誠に有難うございました。 (2019年5月27日 22時) (
レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても面白かったです！ありがとうございました (2019年5月27日 5時) (レス) id: 788aead105 (このIDを非表示/違反報告)
レフト(プロフ) - ムスメ3さん» 今までのご閲覧、誠に有難うございます。ムスメ3さんから頂いた沢山のリクエストは非常に捗りました。 (2019年5月27日 1時) (レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - すごい面白かったです！完走おめでとうございます！ (2019年5月26日 19時) (レス) id: a84e4bce58 (このIDを非表示/違反報告)
レフト(プロフ) - いちごみるくさん» 四ヶ月という時間を掛けて漸く完結致しましたが、初期の方から見て下さったいちごみるくさんには感謝しきれません。今までご閲覧頂き、本当に有難うございました。 (2019年5月26日 13時) (レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェトルクス | 作成日時：2019年1月25日 0時
