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俺を見て欲しい【リク】(リクエスト 甘…?) ページ11

あの子との出会いは、正直言って自分の、あの子の記憶から消し去りたい程のものだ。

……だって、俺は闇の力であの子を傷付けた。

消えることの無いその事実は俺を苦しめる。
折角克服した闇もまた、俺の心を蝕んでいく感覚があった。




「すまない……すまないッ……!」

「ううん、私は気にして無いから大丈夫!

……けど、キミは戦わなくちゃね。大事な人まで傷つけてしまわない様に」


その子を強く抱きしめ、何度も何度も謝っている俺に、その子は傷だらけの手でそっと背中を撫で続ける。

大事な人。それはお前の事なのに

気付かない彼女はそうして言葉を紡ぐ。それに俺の心は更に深く刃物が刺さる様な感覚がした。

なぜ俺はこの子を傷付けてしまうんだろう。

今までそれを闇の所為にしていたが、それとは何かが違っている気がした。


日に日に傷が増えていくその子の身体。

もう、頭の中はこんがらがっていて。あの子に暴力を振るっている時も、何を考えてやっているのか自分でも分からなかった。


「すまない……! A……!!」

「……私は平気。何ともないよ」


体温から伝わる温もりに対して、無理をして笑うその子の言葉は、日を重ねる度に冷えていく。

それは、俺だけが感じる冷たさだった。


「大事な人を守りたいなら、キミの心にキミが打ち勝たなきゃ。
私も手伝うからさ、頑張ろう?」


まるで何も知らない。俺の気持ちに一切気付いてくれない。

それに対して悲しさだか苛立ちだか愛おしさだか憎しみだか……兎に角色々な感情が混ざり合う。
……だからなのか?


「痛いっ……!」


気付いたら俺はその子の腕を、ギリギリと音が鳴る程に掴んでいて。


「……リ、リクっ! ねぇ、目を覚まして!!」


何かを喚いたその子を、腕を掴んだまま近くの壁に叩きつける勢いで動かす。そして、素早く俺は逃げようとするので閉じ込める様に壁に手をついた。

逃げ場を無くし、不安げな表情で此方を見上げるその子に俺は口を開く


「俺の大切な人はAだ。

なのに、なぜお前は気付かないッ……!そう言えるのは、俺なんか眼中に無いって事だろ!」

「……! ち、ちが___んっ!?」


俺はその子の言葉を遮る様にキスをする。
そして、顔と顔が離れた時、俺はAを鋭く睨みつけ、細い首に手を掛けた。


「好きだ、A。 でもお前は俺の事を見ない。
そんなお前なんか……いらない」

怒りに任せて振るった行動。
結局、その後に残ったのは後悔だった。

マーキング【デミックス】(リクエスト 甘)→←通話の欠点【ソラ】(リクエスト)ネタバレ注意



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設定タグ:キングダムハーツ , ヤンデレ・狂愛 , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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レフト(プロフ) - ご満足頂けたようで何よりです。ソラさんもわざわざこのような小説にリクエストして下さり、誠に有難うございました。 (2019年5月27日 22時) (レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白かったです!ありがとうございました (2019年5月27日 5時) (レス) id: 788aead105 (このIDを非表示/違反報告)
レフト(プロフ) - ムスメ3さん» 今までのご閲覧、誠に有難うございます。ムスメ3さんから頂いた沢山のリクエストは非常に捗りました。 (2019年5月27日 1時) (レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - すごい面白かったです!完走おめでとうございます! (2019年5月26日 19時) (レス) id: a84e4bce58 (このIDを非表示/違反報告)
レフト(プロフ) - いちごみるくさん» 四ヶ月という時間を掛けて漸く完結致しましたが、初期の方から見て下さったいちごみるくさんには感謝しきれません。今までご閲覧頂き、本当に有難うございました。 (2019年5月26日 13時) (レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フェトルクス | 作成日時:2019年1月25日 0時

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