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そんな事を思った数分後、後輩が気まずそうに俺の肩を叩く。
「あの、菊池さん……大きなお世話かもしれないんですけど、Aさん大丈夫でしょうか……？」
「なに、どした？」
「課長達の会話が聞こえたんですけど、ちょっと下ネタというか……際どいワードが聞こえて……」
「……マジ？サンキュ、教えてくれて」
俺は後輩にお礼を言うと急いで課長達の方へと向かう。
そして近づくと、確かに課長とその取り巻きがAに色々質問しているようだった。
「今の子は発育いいからなぁ、10代で子供産んだりも多いみたいだし」
「よく聞くよなぁ、ちなみにAさんは初体験いつだったの？」
『えーと、私は……』
「課長！！」
俺はAの口に手を当てながら慌てて隣に座る。
「今の時代は何でもセクハラって言われてしまいますよ、Aも逆セクハラになりたくないよな？」
はっはっはなんて笑いながら極めて明るく言えば、課長達はそうかそうかと笑ってくれて話題は何とか流れた。
そして自然な流れでAを連れ出す。
「何考えてんだこのバカ！」
トイレへと続く狭い廊下の隅で、俺はAに説教をする。
「あんな下ネタにホイホイ答えるやつがどこにいんだよ！気をつけろよ！」
『だって聞かれたから答えただけだもん』
「とにかくお前もう帰れ、酔ってんだろ、顔赤過ぎ」
頭をガシガシ掻きながらそう言えば、悪びれた様子も無く口を尖らせてそっぽを向くA。
こいつ……！
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作者名：くるみ | 作成日時：2023年4月5日 14時
