東卍だろうが何だろうが鉄骨娘はひるまない

わけわからん・・・ ページ34

８月１日

あれからは念のためということで三日間の入院生活を送り、病院を出た後も一週間に一回の頻度で傷の具合を見てもらっている。

傷がかなり深かったため何針か縫ったらしく、それが功をなし跡は残らないらしい

今日も病院へ行き傷を見てもらった後の帰り道、入院中に何度かヒナがお見舞い来てくれたときに話していたことを思い出した。

ヒナによると、あの後武道も病院に運ばれたらしい。


この後特に用事もないし見舞いにでも行ってやるかと足を進める方向を変えた。

そして目的地にたどり着く手前で・・・・・・・

どこからともなく自転車が飛んできた。


「っては！？なんでよ！！」

慌てて身をひるがいして避ける。
自転車は釘崎が避けたことで壁に衝突しぶっ壊れた。

投げた本人に文句でも言ってやろうと振り向いた矢先・・・今度はスケートボードが飛んできた。
すぐ横を飛んでいくスケートボードもまた見るも無残な姿になり果ていた。

壊れた自転車やスケートボードにきを取られすぎたが、その奥で広がっている光景はもっと頭を抱えたくなるようなものだった。

「武道・・・なんであの二人喧嘩してるわけ？アンタの家の前で」

「俺が聞きてぇよ・・・突然マイキー君が俺の自転車を・・・あぁ、俺の愛車が・・・小遣い貯めて買ったスケボーが・・・俺の思い出たちが・・・！」

「あー、うん。なにがなんだかわかんないけど・・・取り合えずドンマイってことね」

さっぱり状況がわからない釘崎は目の前の状況を、なぜかマイキーとドラケンが人様の物を投げあって喧嘩しているとしか認識できていなかった。

とりあえずこの騒動は自分にまったく非がないうえに自分が首を突っ込む必要性は全くないと判断し、『病み上がりだから』というステータスを使うことにする。

「花垣、私勝手に上がって麦茶でも飲んでるから。ま、頑張って」

「え、釘崎さん！？」

喧嘩している二人は目の前のことに夢中で自分に気が付かなかったため、それを良いことにそそくさと端から周りこみ、ドアノブまで到達する。

おじゃましまーす、と一声かけて家に入った。
武道には一言上がると言ってあるし、挨拶もしたのでこれはけして不法侵入ではないのだ

「ほ、ほんとにいっちゃた・・・・」

一方武道は、救世主が突然現れたと思ったら突然去り、放心した後、新たに自分の思い出が壊れる音で我に返ったとか。


「あああああ！ドラケン君！それ初めて貰った親戚の・・・！」

武道の友達→←病院

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す