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声をかけられ、顔を上げる。
いかつそうな兄ちゃんだった。
青「いや、どうも…。」
「どうもあるやろ。よく見かけへん顔やし。最近多いんよな、犯罪者がここに流れ着くの。」
犯罪者、という単語に寒気を覚える。
「で、坊ちゃんはどんな犯罪を犯したん？」
やるしか、ないんか。
いや、ちょっと眠らすだけやもん。
大丈夫。
ばちり、と視線を合わせる。
不思議そうにいかつい兄ちゃんは見つめ返す。
青「わっ！」
突然大きな声を出したことで催眠状態に入った。
その場に崩れ落ちていく。
軽い水しぶきを立てる。
なぜか血がどんどん広がっている。
青「は…なんでやねん。なんでお前も死んでまうん。」
どこから出血しとるのかはわからへん。
だけど、このどんどん広がる血が間違いなくいかつい兄ちゃんのだった。
逃げようとして、兄ちゃんのポケットに何か入っていることに気づく。
青「ナイフ…。」
もしかしてこの兄ちゃんも犯罪者なんか。
そう考えたらなぜだか心が軽くなった気がした。
犯罪者なんやから、殺しても大丈夫…やんな？
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作者名：ふぇる | 作成日時：2023年1月29日 17時
