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「A、一緒に帰ろ〜?」
「うん!私も誘おうと思ってた」
「は?超絶可愛いんですけど襲いたい」
そう言って抱きついてくるのは隣のクラスの天月くんこと天宮翔太くん。
男女問わず人気のある彼が
所謂ワケありで、利用し合ってる?
いや私が一方的にそうしているだけかもしれない。
兎にも角にもワケありカップルなのだ。
「ねえ今日俺ん家くる?」
「いいなら行こうかな!このまま直行でいい?」
りょうかーい、と天月くんが返事をしたとき丁度下駄箱に着いたので一旦お別れだ。
靴を履き替えると既にたくさんの生徒が外に出ていた。
「よーし行こっか!」
その人ごみから逃げるように天月くんは私の手を引いて走っていく。
学校の敷地から出て人通りがまばらになった所で天月くんはいつも通り歩き始めた。
天月くんの家は広い。それも親の仕事の関係らしいが、そのせいで両親はほとんど家に帰ってこないという。
その為か天月くんの家では勉強が捗る、まあ年頃の男女が1つ屋根の下で親もいないとなれば
それなりのこともある訳だが曲がりなりにも恋人なのでそこはあまり触れない。
ただ天月くんと付き合うのにはもちろん困る時だってある。
「今日男子と話した?」
「えと、課題提出の時に話しかけられて…」
「へー。無視すればよかったのに。」
少し、束縛癖があるのだ。
天月くん以外の男子と話すのが気に入らないらしい。まあそこは少し難しいところ。
なんて思ってると見慣れた豪邸。
いや豪邸は言い過ぎか?でもそれに匹敵する大きさだ。
「ん、鍵開けるね」
鍵までスマートにカードで開けて。
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作者名:結萌 | 作成日時:2021年8月17日 22時