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『角名さん』
放課後、Aから寄ってきて、「中庭」と一言だけ発して歩き出した。
「どうしたらいいか教えて欲しいことってなに？」
単刀直入に、キッパリ聞いて、応援してやろう。
『添川って、優しいんだよ』
あー、やっぱり、ちょっと待って
何をいいだすの？
心の準備が出来てない。
『添川って、あんまり目立つタイプとかモテるタイプじゃないけど、優しくて、いいところたくさんあるんだよ。結構好きなタイプだった』
「…そっか」
それしか言えないだろ。
惚気なら、柳瀬に聞いてもらえよって怒りに似てる感情が。
『でも、手繋ごうって言われて、手を握った時になんか違うヤダなって思っちゃった時どうしたらいい？』
「………手」
『そんで繋ぎたくないって言ったら、俺の近くあんまり来てくれないねって。角名とは肌が触れるくらい隣にいれるのに？って言われたときどうしたらいい？』
「……A」
何も言葉が見つからないや。
『そんで、やっぱり角名さんとごはん食べたいなーと思った時どうすればいい？』
「添川とは」
『別れたよ』
何も言えなくて、近くにあったAの手を握った。
「嫌だ？」
『角名さんなら嫌じゃない』
今まで意地悪してごめんね。
意地悪したつもりだったのに、苦しくなったの俺だった。
「A、付き合って下さい」
答える代わりに、手を握り返してくれたよね。
俺よりずっと小さい手。
やっぱりダメだったっていうのはもう無しね。
代わりに、好きって聞かせてよ。
fin.
終わり
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鳳(プロフ) - アリサさん» 初コメントでございます、そんな風に言っていただけて本当に感激です。ありがとうございます！ (2020年6月28日 18時) (
レス) id: 3c58b0a71f (このIDを非表示/違反報告)
アリサ(プロフ) - 読みおわった時心の中で「ヤバイ…最高に良かった…」って思いました。 (2020年6月28日 10時) (レス) id: 066eb88ca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳳 | 作成日時：2020年6月19日 3時
