red 29 ページ30
“その受賞式の場所、マイケルもよく歌ってたとこだよ！
かっこいい〜！ おめでとう！
かんぱ〜い！”
『ありがとう。』
“TOPさん、ソムリエなの？
すごいね。今日のも美味しい！”
俺達の受賞を自分の事のように喜んでくれる。
のに、嬉しくない。
…こーなるってわかってた気がする。
“受賞式、いつ？”
『忘れた。
けど、明後日からまずは10日程行ってくるよ。』
“そうなんだ！いいな〜！”
『…いいの？』
“いいでしょ！
仕事とは言え、きっと刺激的な10日間を過ごせるよ。
チャンス！！”
『うまくいけば、向こうでも活動することになるから、行ったり来たりになるかも。』
“…わぁ。ますますスーパースターだね。”
目を輝かせて言う台詞？
しばらく会えなくなるのに。
海外での仕事が続いた時、それを嫌がる女がいた。
あの時は、それが鬱陶しくて堪らなかった。
『Aは…俺が海外で活躍すると、嬉しい？』
“当然！”
即答か。
喜んでもらえて、嬉しいはずなのに
無邪気に喜ぶAに苛つく。
…苛つく自分が更に俺を苛つかせる。
ワインが空っぽの胃に流れ込む。
“頑張ってきてね！”
あぁ…Aの薄緑の目。
久しぶりに俺だけを映して優しく腕を撫でられる。
落ち着いてきたかも。
ちょっとアメリカ行くくらいで。
今時、地球のどこにいてもすぐ繋がれるのに何だっての。
自分が嫌になる。
久しぶりにナーバスになってんな。
“ジヨンどうしたの？”
『どうもしないけど、さすがに緊張してるみたい。
ほぐして。』
“そんな事言って…。”
俺の近くに、グラスを持つAの手があって
衝動的にその手を引くと
ワインがこぼれて
落ち着いてたのに、またザワザワし始めた。
Aの髪にワインがかかり
俺のシャツも紅く染まる。
それを見ながらまだ手を引き
俺の中に閉じ込めるように抱き締める。
寂しいとか行かないでとか
嘘でもいいから言えよ。
今はそんな言葉が欲しい。
Aが、体を引くから
体ごと被さって動けなくしてから
口付ける。
苦しくなったのか胸を押されても止めない。
“…っ！”
角度を変える合間に息が漏れる。
やみくもに押されてた手がそれを諦めて
また優しく俺に触れるから
その手を取ってキスをやめた。
ワインがこぼれてからほんの数秒。
染みは赤々と広がる。
悪くない。
こうやって、どんどんAの中で俺が広がればいい。
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feliz(プロフ) - shinoさん» shinoさん☆わぁ今度絶対お邪魔します☆☆ありがとうございます！！ (2019年9月20日 8時) (
レス) id: 01e916ca84 (このIDを非表示/違反報告)
shino(プロフ) - felizさん» felizさんのペースでがんばって下さい^_^！私もいくつか作品書いたので、滞る気持ち分かります。笑。 (2019年9月19日 9時) (レス) id: 6eccd5753e (このIDを非表示/違反報告)
feliz(プロフ) - shinoさん» shinoさん！！コメントありがとうございます*^∇^*♪あの雰囲気が…たまらないんですが(笑)☆読み返す度、拙い文章を思い知らされますが思い入れのあるお話なので嬉しいです！最近滞り気味ですがshinoさんのおかげで復活です！また気が向かれたら読んで下さい☆ (2019年9月19日 8時) (レス) id: 01e916ca84 (このIDを非表示/違反報告)
shino(プロフ) - はじめまして^_^とても楽しく読んでいます。ジヨンの事、雰囲気イケメン！私もずっとそう思っていたので、同じだ！と思って、ついコメントしちゃいました！これからも、楽しく読ませて頂きます。 (2019年9月18日 17時) (レス) id: 6eccd5753e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：feliz | 作成日時：2018年10月15日 22時
