love me not. (ページ2)

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white 2 ページ2

朝…か。
ぼんやりした視界。

広いこの部屋の向こうの窓際に

朝日で光る、白い姿。

本当に天使みたい。

何を見てる？
何を考えてる？
そこから、何が見える？

起きようとしたけど、まだ上手く力が入らない。

彼女が俺に気づき、近づいてくる。

静かな部屋に自分の鼓動だけが響く。

なんだ？…これ。

俺が、緊張？

苦笑いの俺の隣まで来た彼女は、少し不思議そうな顔で

“おはようございます。
私は、クォンさんを担当します、Aといいます。
早速ですが…”

『A A。』

手元のファイルに落とされていた視線が俺の目に移る。

そして俺も、吸い込まれるように
強制的にそうさせられてるように
薄い緑色の瞳から目をそらせない。

やっぱり不思議な目の色。

『綺麗な目の色だね。』

“え？”

『薄い緑と、茶色？』

彼女の目の奥で感情が動いているのが見える。

そして、俺に対して必死にバリアを張ってることも。

その作られた距離感に戸惑う。

いつもは、俺がそうしてるのに。

本心を見せるのが怖い。

俺に近づいてくる人の真意がわからないから。
向こうがその気なら、俺も利用するまでなんだけど。

そうやって、生きてきた。

だけど

目の前の、どこかで見たことのある目をした、
だけど綺麗な瞳のこの子の

壁を崩したい……。

衝動的に、そして強烈にその思いが体を走った。

『A…ちゃん？ Aさん？』

彼女は固まったまま。
俺の質問の意図を計ろうとしているんだろう。

『年下ならAちゃん、上ならAさんでしょ。

白衣って、大人っぽくも幼くも見えんね。
A…ちゃん？かな？
いや、実はヌナ…？

俺の全てがそこに書いてあるんなら、年くらい教えてくれてもいいんじゃない？』

“同い年なら、なんて呼ぶんですか？”

『A。』

真っ直ぐ目を見て名前を呼んだ。

また、彼女の目の奥が揺らぐ。

そう、俺にもっと惑わされて。

こっちに来なよ。