桜花乱満 【薄桜鬼】

Episode1 ページ3

夜は嫌い。

闇が全てを呑み込んでしまうから。

両親や友人、その他の大切な人が自分の側から消えてしまいそうで…。

なのに自分には何も出来なくて…。

貴)「ハァ、ハァ…」

自分は逃げることしか出来ない…。

？)「待てー！」

追いかけられてもただ逃げるだけ。

戦うための強さが無い。

貴)「嫌…だ…。来ないで…」

泣きながらも走る少女。

茶色の長く綺麗な髪を一つに縛り、藍色の瞳、瞳と同じ藍色の所々に蝶が描かれた綺麗な着物を着ている。

少女の名は如月A

ある目的のために江戸から京へ来た少女だ。

貴)「…来ないで…お願い…」

Aは今、浪士に追われている。

理由は分からない。

ただ、流石の京でも夜は暗い。

貴)(あの時と同じ…)

Aは来て間も無い京の町をひたすら走った。

貴)(何処か隠れる場所…)

その時、建物の陰に隠れられる場所を見つけた。

Aは急いで隠れた。

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