本当の名前は【第５人格】 (ページ8)

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第７幕ページ8

木々の間から差す柔らかな木漏れ日

風に揺れる鮮彩な花々

端の方には、西洋風のパリビオンがひっそりと佇んでいる

静寂に満ちた、美しい空間

綺麗、と言うのは芸術家の末端に身を置く上での言葉では無かった。強いて言えば

１人の人間の感性と言ったところか

青々しい芝生の上に腰を下ろすと、普段考えているものが全てどうでも良くなるような、心地良い気分になる。ここ数年は自然に触れる機会が無かったので、その反動だろうか

『執筆が捗りそうですね、ここ』

「……それは庭の女史も喜ぶでしょう」

不意に聞こえた声に振り返ると、まぁ男性が立っているわけであり、空を見上げれば日が高い位置に昇っていた。

『貴方は………思い出しました。彼女(・・)が話していた占い師の方でしょう？名前は確か……』

「イライ・クラークと申します」

『驚かないのですね。大抵の人間は初対面の人間が自分の事を知っているなんて分かれば、疑問を投げ掛けてくると言うのに』

「私もゲキウから貴女のことを聞いているので、面識はありませんが貴女の事は知っています」

顔半分を覆う目隠しで表情は読めず、対する脚本家は感情の起伏が無いに等しい。
その上で占い師は困惑していた。自身の情報を知られていたことにではない

「(彼女の未来が視えない)」

ひどく不確定なうえに、有り得る平行世界があまりにも多過ぎる。何十人の人間を同時に視た時でさえ、こんな状況にはならなかったと言うのに。

２人は互いが互いに初めて出会った理解の範疇外の人間であり、占い師同様に脚本家もまた、脳裏に困惑がよぎった。

『(……私はゲキウに身の上話をしていない。何故知りもしない他人の情報を知り得ているの？)』

まぁ、どうでも良いけれど。

「あぁ、ウッズさん達が貴女を探していましたよ。朝食次いでに遊戯(ｹﾞｰﾑ)の説明をしたいそうで」

『わざわざありがとうございます。クラークさん』

「お気になさらず」

互いが互いに、笑顔でそう言って別れた。

本心は定かではない

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パリビオン

四阿の英語訳

私的クラークはThe・聖職者だと思ってます

クラークって姓名自体が聖職者を表しているようですし