第２１幕 ページ24
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《貿易管理局・管理記録:極秘》
○月△日
中東から貿易船が一隻。乗っていたのは擦り切れたローブを被る一人の男のみで、自らをラスールと名乗った。(聞き慣れない言語であった為、あくまで仮定とする)
男が所持していたのは大人の手に収まる程の小瓶のみで、管理局の人間が触れることを頑なに拒否していた。かろうじて言語の知識を持っていた(多少)管理局員が聞き取れたのは「私には時間が無い」と言う発言と、「コカリトス」と言う奇妙な単語のみであった。
翌日、調査の為に身柄を拘束していたラスールは持病と思わしき病で死亡。感染病を懸念し遺体はその場で火葬とした。
肝心の小瓶であるが、管理を担当していた局員と連絡が取れなくなった為所在は不明
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「リジーさんって何処の国の人なのかしら？」
女性サバイバーが不定期に開催する女子会にて、不意に誰かが言った一言だった
「ウィラがフランスが生んだ〜〜とか言ってたから仏国出身じゃないの？」
「じゃあ何でナワーブがリジーさんを知ってるのよ」
世間話(大体は恋バナ、と呼ばれるものだったが)に飽きてきた女子達が、話の話題を見つけたと言わんばかりに口々に喋り始めた
「キャンベルさんも知ってる感じだったの！」
「デミ姐も知ってるんでしょ〜？リジーさんの事」
「ルシアは良〜い呑み仲間だったねぇ〜〜ﾋｯｸ、、私の愚痴をよ〜く聞いてくれたもんさ〜/////」
「相当呑んだね姐さん、、、、顔真っ赤…」
「グレイス・ローゼンタールはイギリスの小説家よ？」
「ウィラ間違えてる〜スしか合ってないｗｗスしかｗｗｗ」
机をバシバシ叩いて笑い転げる機械技師に持っていた(と言うか近くにあった)クッションを投げつけた。
「うっさいわね！！//////上か下の差じゃないのよ！」
「あーあー、始まった……お酒が入るとす〜ぐ喧嘩する……」
クッションの投げつけ合いをする調香師と機械技師を呆れた視線で一瞥して、そそくさと部屋を出ようとする空軍(未成年組)
「結局リジーさんってどんな人なんだろうね」
「私もよく分かりません……」
カツン、カツンと杖の音が廊下に響く
「不思議と言うよりさ、
奇妙？な人だよね」
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作者名：夜玄 | 作成日時：2021年6月19日 21時
