本当の名前は【第５人格】 (ページ13)

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第１０幕ページ13

医師の解説は終わるまでにかなりの時間を要した。終わったのは試合が始まる１５分前だった。

「……だから味方の構成を考えることが大切なのよ…って随分話し込んだみたい。最初の試合だから、とりあえずマップがどんなものかを見てみると良いわ。要は慣れよね」

『説明ありがとうございます』

待機部屋への道順をこれでもかと言うぐらいに教えられてから部屋を後にした

各々が出る試合は勝手に決められていて、不備があれば交代などが可能である。

脚本家が出る初試合の構成はオフェンス、機械技師、祭司、そして脚本家。能力については紙面上でしか知らないので、多少なりとも不安はある。

ハンター陣営は試合が始まるまで分からない

『失礼します』

探索時に入ったので大体の雰囲気は知っていたが、とにかく暗い。蝋燭以外に灯りがないのは嫌がらせだろうか。それとも単に招待主が面倒臭がっただけか

脚本家以外のサバイバーは既に席について、各々が道具の手入れをしていた。
(主人公の待機モーションは機械技師の「準備」に近い感じ)

１番左側の席に座って本を呼んでいると、隣に座っていた女性に話しかけられる。

「初めまして、脚本家さん。私はフィオナ・ジルマン。この鍵を使って障害物をすり抜ける事が出来るの。困ったら呼んで頂戴ね」

『こちらこそお願いします』

話していると、祭司の１つ奥(脚本家目線)に座る少女が声に気付いて「あーーっ！！」と勢いよく立ち上がって脚本家を指差した。

「あの時死んでた人！！」

オレンジのツナギ服は所々が汚れており、事前に知らなければ男性だと見間違えていただろう

『私は死者ではありませんが……、、、あぁ、あの時固まっていた…』

「なぁんだ、見間違えかぁ……。僕はトレイシー。解読が得意なんだよ！！」

『誤解が解けたようで良かったです。よろしくおねがいしますね』

機械技師の向こうに座っているオフェンスことウィリアム・エリスは話しかけられる雰囲気でなかったため、祭司と機械技師にチェイスするにあたってのコツなどを教わって待ち時間を過ごした。

［試合を開始致します］

アナウンスが聞こえた直後

耐え難い睡魔に襲われ、そのまま意識を落とした