第九話 ポテト ページ11
フェイが急いでやってきたのは食堂。
慌てたように素早くお皿をとり、たったと人混みにきえる。
「あ、待って！」
あたしはついていく。なんだろ？
フェイがいたのはとある料理の前。
そこにはカレンさんも。
「あっ、フェイ。なに？」
「なにじゃないよ！！
ポテト全部とらないでよ！」
「な、なにを言ってるのかな？
私が全部取ったわけじゃないし…フェイが遅いからいけないんだよ」
あ、フェイはポテトがほしかったんだね！
でも、カレンさんのお皿には山盛りのポテト…！
もうとられちゃったみたいだね。
なんだか、かわいい。
フェイってかわいい。
「ほらA。バイキングのときは急がなくちゃこういう欲張りな人が独り占めしちゃうからね〜」
「うん、わかった」
「ちょ、ちょっとAちゃんに変なこと吹き込まないでよ」
カレンさんは、赤くなって席に戻った。
フェイは少なくなったポテトをかき集める。
それにしても、バイキングなんて初めて。
好きに食べていいなんて、夢のよう。
ふわふわ、歩き回っちゃう。
あたしはお皿にもりつけ、席を探した。
フェイが手招きしてくれたから、あたしはそこに行く。
サリューさんたちもいる。
「ああA。夕食の前に少し。
明日から君の力の制御の訓練をするよ。
専門の先生と、フェーダのメンバーがつきそう」
「うん。ありがとう」
「ワクチンは1カ月くらいかかるって。
それまでは、基本的には授業より訓練優先だよ」
1カ月。
それで、やっと解放されるんだ…！
「でも1カ月後は、夏休みなんだよね」
フェイが嬉しそうに言う。
「いいなあ。あんまり勉強しなくていいんだよ」
「こらフェイ。怠けると赤点だぞ？」
厳しいサリューさん。
そうか、夏休みかあ…。
孤児院の夏休みは、あまり楽しくなかったなあ。
お家がある子はお祭りに行ったり、映画に行ったりするんだよね。
ここは、どうなのかな。
ちょっとだけ、楽しみ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 102人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凜(プロフ) - 夜舞桜さん» ありがとうございます！更新遅くてごめんなさいっ。ちょこちょこ更新するので、よろしくお願いいたします！ (2018年5月3日 0時) (
レス) id: 8f4e5bf045 (このIDを非表示/違反報告)
夜舞桜(プロフ) - 続きがとても楽しみです (2018年4月21日 11時) (レス) id: cbc03eb446 (このIDを非表示/違反報告)
凜(プロフ) - にんじん。さん» ありがとうございます！ パラレルですが、旧主も活躍しますよ！これからもよろしくお願いします！ (2018年4月10日 10時) (レス) id: 8f4e5bf045 (このIDを非表示/違反報告)
凜(プロフ) - わぎさん» いえいえ^_^ 面白かったので、また見にいきますね！ 頑張りましょ！ (2018年4月10日 10時) (レス) id: 8f4e5bf045 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん。(プロフ) - うわぁぁぁ、もう、待ってましたと言わんばかりです！！ありがとうございます！！頑張って下さい！ (2018年4月9日 22時) (レス) id: 33ecf25f38 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
