last christmas,I gave you my heart (ページ2)

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I gave you my heart ページ2

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幸せそうでもない。ただ隣に立っているだけだけど、絶対に兄弟ではないし友達でもなさそう。誰なんだ？

僕が知らないことなんてもうないって思ってたのにちょっと焦る。知らない男がAちゃんの隣で堂々とポッケに手を突っ込んで立っていたんだ。冗談なのかな？僕がいるのに。

クリスマスカラーで一色の駅前のロータリーで何かを話している2人の声は僕までは届かなかった。告白しようと思ったのに、どうして僕の方に気づいてくれないのAちゃん。

男がどこか呆れた様子で下を向いた瞬間にAちゃんは辺りを見回した。キョロキョロと何かを探しているようで、なんだろう？どうしたんだろう？イルミネーションで反射した光が瞳に映ってキラキラ輝いていた。はっと息が止まって動悸が、全身の血が駆け巡るみたいな感覚だった。

連絡を入れているんだから僕から声をかけてもいいんじゃないかな？そう思ったのは一歩足を踏み出した後。

ズンズンと前に歩き出し、他には何にも目を向けず一心に見つめる先には、まだキョロキョロとする愛おしい女の子。

Aちゃんは焦点が定まってない目で何かを探して

「…あ、」

そう言った気がした。鈴のような可愛らしい声が足を攫って、また動悸が酷くなる。今、僕と目があってる。

見つけたのは僕だった。探していたのは僕だった。ずっとずっとこの光景を望んでいた。僕を見つけて反応するAちゃん、それを見つめる僕、近づいてちゃんと言いたい、好きだよって。

でもそれは叶わなかった。Aちゃんの隣にいた男がAちゃんの顔を無理矢理自分に向けてキスをしたから。

公衆の面前で、馬鹿な男なのかな、そいつ。
Aちゃん嫌がってるのに、なんで離してやらないんだ？僕と目が合っていたのになんで邪魔をするんだ？お前は誰だ？

急に熱が冷めたように冷えていく手のひらを感じながら、僕は足を進めた。Aちゃんの方へまっすぐ進む足は意外にも少しだけ震えてて、全ては喜びが抑えきれなくて

「Aちゃん、」
「ッンッ！！！やめてってば！！！」

ドンっと男を押したAちゃんは、男がまた向き合わないうちに僕の手を取って街へと走り出した。

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