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「何の為に大学へ行ったのよ」
「将来どうするつもりだよ」
「そんなにフラフラして…何考えてんの?」
親に兄に姉に、
家に帰った瞬間食らわされたアッパーフルコンボ。
なかなかキツい試合だったけど、アドレナリン…
君がいてくれたから頑張れたよ、うん頑張れた。
おかげでわたし、いま公園にいるよ。
夏の始まりって言ったけど普通に暑いよ、すごく。
どうかしているんだと思う。
あんなにも恐れていた家族に精一杯の反論をした私はそのまま勢いで家を出て行った、荷物を持って。
変な所だけ冷静になって携帯の充電器まで持ってきてしまった。これで二度と帰れやしない。
幸い、財布にもお金は入っていた。
とりあえず落ち着こう。
まずはコンビニに行って腹ごしらえをしよう
そう考えて、重い腰を上げた。
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「おいどういうつもりだよ!!」
「だーかーら、僕じゃないですってば〜」
今日は何回この言葉を聞くんだろう。
どういうつもりって…どうもこうも無いのに。
出来るだけ安めに済ませようとスナックコーナーへ入って数分後、騒ぎは起こった。
どうやら万引きが起こったらしい。
店員さんが真っ赤だ。あ、その顔お父さんに似てる。
他人事だと俯瞰してレジへ向かおうと、騒ぎの横を通ろうとした時、誰かがわたしの腕を掴んだ。
「……え」
「ねえお姉さん、そう思わない?防犯カメラ!」
「え、え?」
「おい言い訳はやめろ!警察呼ぶぞ!」
「じゃあ防犯カメラ見ればいいじゃーん。僕じゃないもん。万引き止めようとしただけだもーん」
「俺はお前がやっているところを見たんだよ!!
しらばっくれるな!!ほら出せ!!!」
「ええ〜僕盗ってないのに」
何やらずいぶん揉めてるらしい。
同情ならするから、
どうか青年、その手を離して欲しい。
さっさと騒動から抜け出すにはどうすればいいか。
考えなくてもわかったことだった。
「あの、防犯カメラ確認したらどうですか」
「はあ?お客さん、俺は見たんすよ?」
「ほら!やっぱそう思うよねお姉さん!ほら見よ!」
「そんなもん、確認しなくても」
「…人の脳というのは思い込み次第で虚実が事実に変わる可能性が大きくあります。一度確認するだけです。それで白黒わかるのですから、そちらの方が効率的ではありませんか?」
「お姉さん話わかってる〜」
「くっそ…なら見るからな!?いいんだな!?」
「どうぞどうぞ〜」
青年、手を離せ
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にりっとん(プロフ) - hirotdmさん» うわあ!ありがとうございます!!そう言って頂けると凄く嬉しいです^ ^!! (2020年10月14日 22時) (レス) id: 938d7e1e55 (このIDを非表示/違反報告)
hirotdm(プロフ) - 更新待ってました!ちよっとブラック気味なテヒョンが待ち遠しかったです。 (2020年10月14日 21時) (レス) id: ea4210145d (このIDを非表示/違反報告)
にりっとん(プロフ) - ヨシ子さん» ありがとうございます…!好きと言ってもらえるとは…とても嬉しいです( ; ; )更新頑張りますね! (2020年8月16日 19時) (レス) id: 938d7e1e55 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ子(プロフ) - わあ…すっごく好きなお話に出会えました…!これからも応援しております〜!(^^) (2020年8月16日 16時) (レス) id: b34db0bca5 (このIDを非表示/違反報告)
にりっとん(プロフ) - Ruluさん» ありがとうございます( ; ; )Rulu様のコメントが励みとなっております。頑張らせて頂きます!!!! (2020年8月10日 22時) (レス) id: 938d7e1e55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にりっとん | 作成日時:2020年8月10日 18時