第話 『パパ、ママ』 ページ37
noside
キリト｢！あ……｣
ベッドに近づいたキリトも女の子の眼が開いていることに気づいて、小さく声をあげる。
『よかった……！眼が覚めたんだ……！』
(人１)は女の子の肩を持ち、起き上がらせる。
『自分がどうなったか分かる？』
女の子に優しく問いかける(人１)。
女の子｢………？ううん…(ﾌﾙﾌﾙ…｣
少し首を傾げた女の子だがすぐに首を振り、否定の返事をする。
『……そう……お名前は…？言える……？』
女の子｢………な……なまえ………
……わ…たしの……なまえ……
………ぁ……ユ…イ……ユイ……それが…なまえ……｣
少し掠れた声で自分の名前を言う女の子＿＿ユイ。
『ユイちゃんかぁ……！いい名前だね(ﾆｺ
私は(人１)！この人はキリトだよ』
優しく微笑みながら女の子に自分とキリトの自己紹介する(人１)。
ユイ｢……(人１)……キート……？｣
『……ねぇユイちゃん……
どうして森の中に居たの……？
どこかに、お父さんかお母さんは居ない……？』
苦笑いしながらユイに優しく問いかける(人１)。
ユイ｢…………わかんない……
……なんにも、わかんない…(ﾌﾙﾌﾙ………｣
頭を横に振りながら答えるユイ。
その返事にショックを受け、顔を横に背ける(人１)。
『……！…そんな……！
キリトはそんな(人１)に気を使って、微笑みながらユイに優しく話しかけた。
キリト｢やぁ…ユイちゃん｣
ユイに声をかけた後、ベッドに腰を降ろした。
キリト｢ユイって…呼んでいい？｣
ユイ｢……うん…(ｺｸ…｣
キリト｢そうか、じゃあユイもオレのこと”キリト”って呼んでくれ｣
ユイ｢………キー……ト……？｣
キリト｢キリトだよ、キ･リ･ト｣
ユイ｢……(ﾝｳ……ﾊｯ……キィト……｣
それを聞いたキリトは笑いながらユイの頭をポンポンと撫でる。
キリト｢ちょっと難しかったかな(ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ
何でも、言いやすい呼び方でいいよ｣
ユイはキリトの言葉に少し悩んだ後…
ユイ｢………パパ……｣
キリト｢お、オレ……？｣
ユイが発した言葉に戸惑いを隠せないキリト。
(人１)に顔を向けるユイ。
ユイ｢……(人１)は……ママ………｣
『！』
ユイ｢………(ｼﾞｯ……｣
ユイは”ダメかな”という視線を(人１)に向ける。
『ッ………！そうだよ…！ママだよ、ユイ…！』
少し涙を浮かべながら、微笑みユイに返事をする(人１)。
第話 『おんなじのがいい』→←第話 『明日は目が覚めるといいね』
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作者名：レイ | 作成日時：2016年8月29日 16時
