第５２話 『どうしたって』 ページ2
涙は、流してはいなかった。
けれど、心が泣いていた。
Aの言いたい事、感じた事、今ボクはきっと場違いにも嬉しく感じているのだと思う。
大切な仲間たちがボクの怪我の事でこんなにも心を痛めてくれていたのだと思うと、どうしたって心が暖かくなってしまう。
誰よりも何よりも愛しい人が、熱を出してしまうまでにボクの心配をしてくれていたのだと思うと、どうしたって＿＿。
リクオ「…………ごめん」
『…………。どうせリクオは……今謝ったって、同じ事を繰り返すよ……』
その通りだ。ボクは何度同じ事を言われても、またきっと、今回のような無茶を繰り返す。それがボクの＿＿。
『……だから。せめて、皆の事だけは……何があっても忘れないでいて。どんなに辛い事があっても、どんなに悲しい事があっても、リクオの周りには……皆がいるから。リクオが倒れそうになっても、支えてくれる皆がいるから』
リクオ「…………！」
『＿＿リクオは、一人じゃない。でもね、皆の事を忘れてしまえばそれは、一人になるのと同じなんだよ。……だから、皆の事だけは＿＿他の何を忘れてしまっても、皆の事だけは忘れないでいて』
Aは、全てを包み込む暖かい太陽＿＿否。全てを静かに見守り、暖かな光で照らす月のような微笑みを浮かべながら、云った。
『リクオは無鉄砲で、真っ直ぐで、強くて、弱くて、単純で、複雑で＿＿そんなリクオを、誰よりここの皆が大好きなの。リクオを、大事に思ってるの。自分を無碍にしないで、自分を大切にしてね。どんなリクオも大好きだけど、傷ついたリクオは好きになれないから。リクオはリクオだから。皆が大好きなリクオでいてね』
＿＿私の大好きな、リクオでいてね。
その後のことは、よく覚えていない。
ただボクのなかに強く根付いていたのは、ボクは、決して独りで戦っているのではないという事実。
ボクは、独りなんかじゃない。
ボクの無茶を、文句を言いながらも受け入れ、共に戦ってくれる仲間がいるのだ。今までだってそうだった。一時足りともボクのそばを離れた事などなかった。常に、ボクの傍らにあった。
Aの言葉を借りるのなら。忘れていた、のだろう。もう忘れない。何があろうとボクは仲間と共にある。
＿＿Aと、共にある。
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遊星(プロフ) - 更新停止になってますが大丈夫ですか？凄く素敵な話なのに更新停止は勿体無いです。早く続き読みたいです。 (2021年1月25日 11時) (
レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
シンア - 続き気になります。続き楽しみにしています(^-^) (2020年9月2日 16時) (レス) id: 0a57bf4dce (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 猫かぶり少女さん» コメントありがとうございます。お待たせ致しました。私結構な単純人間なので、猫かぶり少女様のように嬉しいコメントを載せられると気分も乗って更新しようという気になるのです。心の底から有難く思います。これからも何卒よろしくお願い致します。 (2019年1月17日 22時) (レス) id: 3f41551ffd (このIDを非表示/違反報告)
猫かぶり少女(プロフ) - エッ( *ﾟAﾟ)このあとどうなるんですか!?めっちゃ気になります！更新停止してるんがめっちゃ残念です…再開される日をとても楽しみにしていますね！応援してます！頑張ってください！ (2019年1月13日 21時) (レス) id: b0408dc810 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 自宅警備隊@ただの暇人さん» ありがとうございますw (2018年5月17日 22時) (レス) id: 3f41551ffd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2018年5月17日 19時
