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「おかしいんだ。
僕らが出した曲が異常なスピードで伸びていく。」
「一見、喜ばしいようなことなんだけど、そうじゃない。
コメント欄を見て。」
隣に座っているテヒョンイヒョンが、僕にパソコンを渡す。
ハートまみれのコメント欄に驚く。
あふれてる文字を読み解くと、ヒョン達がおかしいと言った理由はすぐに見つかった。
「この人が誰か突き止めよう...？」
「そう。
皆が口を揃えてそう言ってる。」
「え、それで、バレたんですか？」
テヒョンイヒョンは首を横に振った。
「今、僕らの正体を突き止めようとしてる人たちが、暴動を起こしてるらしいんだ。」
僕の顔が強張った。
「僕らだと思った人を追いかけまわしたり、家に押し入ったりして怪我人も出た。」
「俺達、この曲を削除しようとしたんだけどAはどう思うんだと考えると出来なかった。」
「...削除した方がいいと思います。」
いいのか？とユンギヒョンが聞いてくる。
僕はこくこくと頷いてテヒョンイヒョンにパソコンを戻した。
「まさか、こんなことになるなんて思わなかった。」
「それはここにいるみんながそうですよ。」
パキン。
ハッとする。
分かった。そういうことなんだ。
爆発とは、争いの事...。
すなわち、戦争 のことではないか？
僕がパンPDにどうして曲を作ったらダメなんだ、と聞いた時
「君たちが、秀才だから。」
と答えた。
そして僕たちが引き起こしたものは、そう。
「暴動」だ。
人が人に襲い掛かり、人と人が争い合う。
「僕ら、仕事どうする？」
「まぁいつも通りだよ。」
どうやら、僕たちは本当に恐ろしいものを引き起こしてしまったようだった。
自分が蒔いた種を回収するために、一生を、捧げよう。
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作者名：さくらンぼ | 作成日時：2020年3月25日 14時
