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事情聴取 ページ7

『ごちそうさま』
「お粗末様。水に浸けておいてくれればそれでいい」
『はいはい』

どこまでも綺麗で、黒に統一されたキッチンのシンクで皿を水に浸けておくと、再びリビングテーブルに座らされた。

「今の今まで聞きそびれてたが…俺と会うまでになにがあった?話せる範囲でいいから話せ」
『全部話す。助けてくれた恩もあるしな。実は…』

宣言通り、銃兎さんには今までの事をすべて話した。その間に込み上げてくる何かを全部無視して、ただ淡々と話した。銃兎さんは、茶々を入れるでもなく、ただ相槌を打ちながら聞いてくれた。

「…なるほどな。それで家出して来て、今に至る…って感じか」
『なぁ、銃兎さん。…俺、後悔してるんだ。一郎に思ってもないこと言って。ずっと、アイツら三人は俺にとって自慢の兄貴だった。それは今も同じで…どれだけ憎まれ口をたたいても、アイツらの事を心から嫌いになることなんてできなかった。…なのに、なんで、俺…!』
「ああ…辛いな、苦しいな…」
『う…ん…ぅ…ぁ…どうしよ…じゅうとさん…っ!おれ、いまさらっ…うけいれて…もらえんの、かな…?いままで…ひどいこと、いったのにっ!』
「大丈夫、大丈夫。一郎くんも、二郎くんも、三郎くんも、絶対にあなたの事を嫌いにはなっていませんから」

ずっと知らないふりをしていた感情とやっと向き合えた気がして、どうしようもない不安と後悔に襲われた。溢れ出る涙はどれだけ拭っても止まってはくれない。
向かいに座る銃兎さんは、そっと立ち上がると、俺の方へゆっくりと歩み寄り、優しく俺を包み込んだ。トン、トン、トン…と心地よいリズムで涙が止まるまで背中をたたかれた。

それから数分、泣き続けた。銃兎さんの腕の中で、ただ泣いた。目が腫れるくらい涙を流し、喉がかれるくらい声を上げ続けた。

「落ち着いたか?」
『…うん。情けないとこ見せてごめん』
「謝ることじゃありません。泣くとスッキリするでしょう?」
『うん。ってか、何で銃兎さんたまに敬語になるんだよ?』
「さあ…癖だと思います」
『ハハッ、また敬語になった』
「そんなに面白いか?」
『うん。けど、やっぱそっちのが好き』

そんなやり取りを繰り広げていると、スマホが着信音を鳴らしながら震えだした。画面には「乱数さん」という文字が映っていた。

『…ちょっとごめん』
「やっほー、A☆」

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Makua*ぼっち - とても面白いです!更新頑張ってください! (2022年3月8日 17時) (レス) @page9 id: 5e3e454f6c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:眠兎 | 作成日時:2022年2月23日 22時

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