下校途中 ページ3
「なあA、これから遊びに行かね?」
『あーいいね!って、ごめん…僕これからお兄ちゃんたちと遊ぶ約束してるんだよね。また誘って』
「相変わらず仲いいな、お前ら。しゃーねぇ、今回は諦めっか。またな」
またねーと手を振ってくる人たちに笑顔で手を振り教室を出ると、一緒に帰るために三郎を迎えに行く。教室の前まで来ると、丁度三郎が出てきたところだった。
『なんで一人で帰ろうとしてんのさ。これから四人で遊ぶんでしょ?お兄ちゃん♡』
「…僕も迎えに行こうとしたところだし。早く行こ、一兄たちが待ってる」
『うんっ!』
珍しく俺の印象付けを手伝ってくれた三郎に驚きながらも、笑顔で頷き三郎と並ぶ。
そのまま笑顔を保ち、程よく会話をしながら校舎を出る。多分もう誰も見てないだろうというところまで来ると、笑顔をはがして三郎と距離を取った。
無言でただただ歩いていると、後ろから誰かに抱き着かれた感覚がした。
「A〜っ!」
『うわっ、乱数さん!久しぶり!』
「久しぶり!元気してた〜?」
『もちろん!乱数さんこそ、元気だった?』
「うん!あれっ、三郎くんもいた!」
乱数さんを鋭く睨みつけている三郎。けれど乱数さんはそんなのお構いなしに絡みにいく。うざがられながらも、キャッキャしている乱数さんがかわいかった。
「ねぇねぇA、これから暇?シブヤまで遊びに行かない?」
『えっ、いいの?行きたい!』
「やったー☆ボクたちの街を案内してあげるよ」
「おい、行くのはいいが、あまり遅くになるなよ。一兄が心配するだろ」
『へいへい、わーってますよ、オニーチャン。いこ、乱数さん』
「…うん!」
俺の呼びかけに対し、一瞬乱数さんの表情が曇ったのが気になったけれど、今はそれを忘れて、楽しいことだけ考えるようにした。
『そういえば乱数さんさ、なんでイケブクロまで来てたの?』
「あー、ちょっとトラブルが起きちゃって…一郎に依頼しに来てたんだ」
『…へー』
「あはは☆一郎って名前が出た途端、わっかりやすく嫌そうな顔したね!」
からかってくるような乱数さんの口調に、仕方なくなぁい?と肩を竦めると、乱数さんはまたあははっと笑った。そんなやり取りをしているうちに、シブヤに着く。
「ボクたちの街、シブヤへようこそ☆」
乱数さんといるときだけはあの兄弟の事を忘れられて、いい気分転換になった。
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Makua*ぼっち - とても面白いです!更新頑張ってください! (2022年3月8日 17時) (レス) @page9 id: 5e3e454f6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:眠兎 | 作成日時:2022年2月23日 22時