捨てられない ページ24
次の日、私は久しぶりにバニラに会いに行った。
久しぶりにあったバニラの額縁からは
煙草の匂いはしなかった。
しっかり約束を守ってくれているようだ。
「バニラ、居る？」
と絵画に向かって話しかける。
「…。」
だけど、絵画から返事は聞こえず、静かな時が流れる。
「…バニラ？」
チラリと絵画を覗くと、
すやすやと寝息を立ててねているバニラが居た。
「ありゃ…ぐっすり寝てる。」
寝ているバニラを起こさぬようにそーっと移動し、
寝顔をまじまじと見つめる。
睫毛長いな…顔も綺麗だし…。
「ん〜…あれ、館長…？」
「あ、お、おはよう。」
顔を見ていたらバニラがいつの間にか起きたようだ。
「あ…すみません、寝落ちしちゃったみたいで…。」
照れているのか少し顔を隠しながら喋るバニラ。
「ううん、大丈夫。あ、でこれ。」
バニラに手を出せと促し、広げた手に煙草を数本落とす。
「え？なんすか急に…」
「前、貰って吸っちゃったから。」
その詫び、と付け足す。
「館内は禁煙なのに…。そうだ、良ければこれ。」
次は私が手を広げる。
手の上には、色とりどりの星型のビーズが広げられた。
「これはなに？」
「ちっちゃい子供が落としてったビーズ。
カラフルで綺麗だから、館長にあげたかったの。
…要らなかったら捨てていいよ。」
そのビーズを手で包み、バニラと分かれた。
キラキラと輝くビーズを夜空に翳すと、
まるでその星が空に広がったようだった。
こんなものも捨てられない私は…
「捨てられないよ…。」
彼等に言わなくてはいけないのに。
…「取引」の日まで、あと6日。
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ぺっぱーみんとkk(プロフ) - ありがとうございます！！！これからもよろしくお願い致します！！！！ (11月9日 6時) (
レス) id: 1b7e41381c (このIDを非表示/違反報告)
おととめぐ(プロフ) - 続編…嬉しいです！！ (11月9日 0時) (レス) @page31 id: c7539b4f89 (このIDを非表示/違反報告)
おととめぐ(プロフ) - こちらこそ！こんな素敵な作品を…！なるほど…もう一周してきまーす！ (11月6日 17時) (レス) id: c7539b4f89 (このIDを非表示/違反報告)
ぺっぱーみんとkk(プロフ) - わぁぁぁ！！！ありがとうございます！館長の絵画達への感情変化などにも注目してみて下さい…新しい考えが浮かぶかもしれませんよ…！！ (11月6日 17時) (レス) id: 1b7e41381c (このIDを非表示/違反報告)
おととめぐ(プロフ) - 更新に感謝！！絵画達と別れてしまうのか…今後の展開が楽しみです！プレッシャーとしてではなく、純粋に受け取ってもらえると嬉しいです…！ (11月6日 16時) (レス) @page26 id: c7539b4f89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾒ布ｩ | 作成日時：2023年10月22日 16時
